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2007年11月12日(月) 21時55分

「ジブリ」アニメのフィギュア会社脱税容疑 社長ら逮捕朝日新聞

 東京地検特捜部は12日、架空の経費計上などの手口で05年2月期までの3年間に約2億円の所得を隠し、約5700万円を脱税したとして、人気アニメ制作会社「スタジオジブリ」からフィギュア製造を請け負っていた「コミニカ」(東京都新宿区)社長の大久保恭子(52)、元同社顧問弁護士で元検事の竹原隆信(49)の両容疑者を法人税法違反(脱税)容疑で逮捕した。竹原元弁護士は大久保社長と内縁関係にあり、脱税の指南や、脱税マネーの管理をしていたとされる。

 調べによると、両容疑者は香港にある工場にフィギュアの製作を外注した際、経費を水増しして計上し、申告所得を圧縮して脱税していた疑い。

 脱税マネーは海外の銀行の口座に預金したり、投資信託として運用したりしていたという。

 民間信用調査会社によると、コミニカの04年2月期の売上高は約4億7000万円。「スタジオジブリ」の映画「千と千尋の神隠し」のキャラクターのフィギュア製造を手がけるなどして業績を伸ばしたという。

 竹原元弁護士は元検事。83年に任官後、札幌地検や旭川地検などで勤務し、87年に退官して弁護士登録をした。都内の大手渉外事務所で企業法務などを担当したが、今年8月に弁護士登録を取り消していた。国際分野も手がけており、米ニューヨーク州でも弁護士登録していた。米国の裁判制度や日本企業の国際訴訟への対処法などを解説した著書もある。講演などでは、企業のコンプライアンス(法令順守)の重要性などを訴えていたという。

http://www.asahi.com/national/update/1112/TKY200711120268.html