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2007年11月12日(月) 20時56分

ゼネコンを恐喝未遂、2容疑者逮捕 兵庫のごみ処理巡り朝日新聞

 兵庫県川西市で建設中のごみ処理施設建設を巡り、受注した準大手ゼネコン(本社・東京)に言いがかりをつけ、地元対策費名目で現金を脅し取ろうとしたとして、兵庫県警暴力団対策課などは11日、「全国同和部落協議会水平社」の名古屋中央分室理事長、高橋弘一容疑者(34)=愛知県清須市=ら2人を恐喝未遂容疑で逮捕した。同団体は「えせ同和団体」とみられ、県警は背後関係を捜査している。

 ほかに逮捕されたのは、工事の地元対策を引き受けるため05年4月に設立された「N・Tコーポレーション」(兵庫県川西市)の役員田淵孝三容疑者(57)=同市大和東1丁目。県警は同社社長(63)についても恐喝未遂容疑で逮捕状を取り、行方を追っている。

 調べなどでは、施設は同県川西市国崎の約34ヘクタールに建設中の猪名川上流広域ごみ処理施設。兵庫県川西市、猪名川町、大阪府豊能町、能勢町の1市3町が発注し、09年3月に完成予定。

 高橋容疑者らは7月上旬、ゼネコンの関西支社(大阪市)を訪問。「多額の地元対策費を予算化しているのに、N・T社の取り分が少ない」などと言いがかりをつけ、現金を脅し取ろうとした疑い。ゼネコンはJVを組んだ横浜市の環境機械メーカーとともに、N・T社に地元対策を依頼していたという。

 同施設は大阪府能勢町の「豊能郡美化センター」などに代わる施設として、06年7月に着工。ゼネコンは05年3月、環境機械メーカーとともに、163億円5千万円で落札した。大阪府豊能町議らが昨年7月、入札価格が類似施設と比べて2倍近く高額だとして、入札などの無効確認を求める訴えを神戸地裁に起こしている。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200711120052.html