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2007年11月12日(月) 17時08分

菓子添加物 「吉兆側に使用通知」 製造業者証言 主張食い違う西日本新聞

 高級料亭などを展開する船場吉兆(大阪市)による食品不正販売問題で、岩田屋(福岡市)で販売した菓子類に添加物表示をしていなかったことをめぐり、船場吉兆と、菓子類を納入した製造業者の言い分が食い違っていることが12日、分かった。船場吉兆側は「添加物を使っていることを知らなかった」と説明したが、製造業者側は「知っているはずだ」と主張。福岡市は、食品衛生法違反の疑いがあるとみて異例の再調査を始めた。

 農水省の調査によると、船場吉兆は「黒豆プリン」「黒豆タルト」「桜ゼリー」など5品目で、着色料やゲル化剤(ペクチン)などの使用を表示していなかった。

 これについて、船場吉兆の湯木尚治取締役は9日の謝罪会見で「(製造業者側から)話がなかった」とした。しかし、同市博多区の製造業者の社長は、西日本新聞の取材に「当社は通常、添加物を使わないが、商品を試食した湯木さんから『色をよくして』と要請され使った。その後、添加物を含む原材料を示したレシピ票も吉兆側に送信した」と証言した。

 湯木取締役はその後の取材に対しては「経緯を調べた上で回答したい」と話している。

 福岡市は、8日に船場吉兆の改善報告書を受理したばかりだが、農水省の調査で新たな偽装が発覚したことを受け、製造業者を対象とした聞き取り調査に乗り出した。

 一連の問題をめぐる船場吉兆の説明は、納入製造業者や従業員の主張と食い違う例が相次いでおり、「組織ぐるみではない」「現場の判断でやったこと」などとする船場吉兆側の説明の信頼性が揺らいでいる。

=2007/11/12付 西日本新聞夕刊=

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071112-00000007-nnp-l40