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2007年11月11日(日) 12時07分

虚偽登録容疑で元理事長逮捕 兵庫・加古川の医療法人朝日新聞

 兵庫県加古川市の特定医療法人社団「順心会」の理事長に再任されたとする虚偽の法人登記をしたとして、県警捜査2課は10日、同会元理事長の医師橋本真侍(しんじ)容疑者(61)=同市神野町神野=を電磁的公正証書原本不実記録、同供用の疑いで逮捕した。大阪を拠点とする病院乗っ取りグループの元メンバーの男に指南され、偽造理事長印で約束手形に裏書きをするなどして、同会に十数億円の債務を負わせていたとみられ、県警は資金の流れの解明を進める。

 調べなどによると、橋本容疑者は05年7月、不動産投資に失敗した責任などを問われて辞任。新理事長選任後の06年12月、自分が理事長に再任されたように理事会議事録を偽造して法務局に提出、コンピューター上の法人登記ファイルに虚偽登記させた疑い。

 関係者によると、橋本容疑者はその後、偽造理事長印を使って、親族が経営する医療品リース会社などが振り出した額面計十数億円の約束手形に裏書き。手形の一部は、理事長復帰の相談を受けた病院乗っ取りグループの元メンバーの男に渡ったとみられる。

 手形が暴力団関係者らにも流れたため、橋本容疑者は回収を大阪市内の別の経営コンサルタント業者に依頼。対価として、同会が7億円を業者から借りたとする公正証書を勝手に作成した疑いも持たれている。

 この業者は朝日新聞の取材に「7億円のコンサル契約については橋本氏個人との契約に切り替えた。正当に理事長に再任されたと思っており、虚偽登記については知らなかった」と話している。

 順心会は県内で3病院と6介護老人保健施設を運営、06年には4年制看護医療大学を開校した。

http://www.asahi.com/national/update/1111/OSK200711100101.html