記事登録
2007年11月10日(土) 10時01分

NOVA事業継承先に「EC英会話」内定日刊ゲンダイ

 会社更生法を申請した英会話学校最大手NOVAの事業継承先が6日、ベンチャー企業のジー・コミュニケーション(名古屋市)に内定した。
 唯一の無形資産といえる受講生が10万人以上急減し、外国人講師約4000人の離散を招くなど、企業価値が著しく毀損した揚げ句の「遅きに失した法的整理」(有力な政府関係者)。その結果、受講生が高額の料金を前払いして得た「レッスンを受ける権利」は白紙が濃厚となり、30万人を超える受講生にとっては不満の残る内容だ。
 ジー社は、100%子会社を通じて、北海道を中心に英会話学校42教室を運営。今回の事業引き受けを契機に、将来的な全国展開に向けて弾みをつけたい考えだ。「救世主」の出現にNOVA関係者は「受講生に一定の義理が立った」(30代の本部社員)と胸をなで下ろしている。
 しかし、NOVA受講生に対しては受講料の75%割引にとどめる方針。受講生が持つ「レッスン票」は「紙くず同然」(関係者)になる可能性が高く、「破産手続きと一体何が違うのか」(都内の20代OL)と批判は収まらない。さらに、昨年8月に教育分野への本格進出を果たしたジー社の手腕を不安視する意見もある。

≪ジー・コミュニケーション≫
 名古屋市に本社を置き、1997年6月設立。「おむらいす亭」「焼肉屋さかい」などを相次いで傘下に収めて外食産業を幅広く手掛けるほか、昨年8月に教育関連企業の全株式を取得して教育分野に本格進出。100%子会社のジー・エデュケーション(名古屋市)は語学学校「EC英会話」を北海道を中心に42教室持ち、個別指導の学習塾なども運営しいる。なお昨年には、上場企業の株式買収をめぐるインサイダー取引で金融庁から課徴金納付を命じられている。
 ジー社本体は現在、持ち株会社としてグループを統括する役割を果たしている。資本金27億8600万円で、稲吉正樹会長兼社長が株式の74.3%を保有。グループ全体の従業員数は2051人。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071110-00000015-gen-ent