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2007年11月10日(土) 17時03分

大阪市長選 「党の顔」も続々来阪 ナニワ選挙一色産経新聞

 18日投開票の大阪市長選は10日、初の週末を迎えた。民主党の小沢一郎代表の辞任騒動で混乱した序盤から中盤にさしかかり、各陣営とも訴えに熱がこもってきた。主要4候補のうち政党推薦を受ける陣営では、次々に党の“顔”が来阪。市民派を強調する陣営は、イベントに飛び入り。各陣営ともに、週末を利用して後半戦へ勢いをつける戦略だ。秋深まる大阪の週末は選挙戦一色に染められそうだ。

 市民派を強調する元大阪市立大教授、橋爪紳也氏(46)。この日は朝から知人が実行委員会のメンバーの北区内で行われたイベント「中津deまつり」に飛び入り。「市長候補で一番若い橋爪です」などと呼びかけた。この後、大阪・キタで支持を訴えた。

 辞任騒動の影響を払拭(ふつしよく)したい民主推薦の元毎日放送アナウンサーの平松邦夫氏(59)陣営は、この日午前はJR天王寺駅前で、岡田克也副代表と田中康夫・新党日本代表が駆けつけ街頭演説。岡田副代表は「今回は非常に大切な選挙だ。ぜひ平松さんを」と支持を訴えた。

 自民、公明推薦の現職、関淳一氏(72)陣営は「民主が動揺している今がチャンス」と一気に攻勢を強化。この日午前中は関氏が公務だったが、午後には丸川珠代参院議員らとともに街頭演説に臨む。11日には谷垣禎一政調会長ら党四役が続々大阪入りする。

 最も早く立候補表明した元市議の姫野浄氏(72)=共産推薦。この日は、JR鴫野駅前での街頭演説や京橋商店街を練り歩くなど、市民とのふれあいを重視した運動に主眼を置いた。姫野氏は「大型開発をストップさせ、市民のための市政を取り戻す」と繰り返しアピールした。

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 ■事務所にも独自カラー

 大阪市長選に立候補している主要4候補は選挙事務所にも工夫を凝らしている。文化財のビルを借りて文化的なイメージを演出したり、“験担ぎ”をしてみたり。選挙事務所から候補者の違いを探ってみた。

 まちづくりの専門家の橋爪氏は昭和初期の建築で国登録文化財の芝川ビル(中央区伏見町)に事務所を設置。どっしりした外観に、内部もアンティークの家具をそろえた。橋爪氏が事務所に腰を据え、支援者と話す日を設けるなどレトロな雰囲気と候補者のイメージを重ねる戦略も立てた。

 平松氏は北区西天満のビルに約500平方メートルの広い事務所を確保。約50組織で作る連合大阪の支援を受け、組織が大所帯のため広いスペースは必要。陣営は「ワンフロアなのでコミュニケーションが図りやすい」と満足そう。政党や組織に支えられた候補の典型的な事務所といえそう。

 現職の関氏の事務所は、関氏が尊敬する近代大阪の礎を作った明治の実業家、五代友厚の銅像が建つ中央区北浜にある。2年前の出直し市長選に出馬し再選した際も、参院選で当選した谷川秀善議員も同じ場所で、陣営は「厳しい選挙なので、験担ぎの意味もあってここに決めた」という。

 姫野氏は、日本一長いとされる「天神橋筋商店街」のそばの北区天神橋のビルに事務所を構えた。姫野氏は商店街の活性化を訴えており、事務所も商店街近くを要望したという。陣営は「姫野さんの思いを具現化した。JRや地下鉄の駅から近く、支援者も立ち寄りやすい」と話している。


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