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2007年11月10日(土) 11時00分

会計検査院:決算検査報告 新潟市、過大受給2770万円 佐渡市などでも /新潟毎日新聞

 ◇医療施設運営費、補助金を不適切計算
 会計検査院の06年度決算検査報告で、新潟市が02〜05年度の医療施設運営費等補助金を不適切に計算し、国と県から補助金計約2770万円を余分に受け取っていたことが9日、わかった。市は過大受給分をそれぞれ返還する。報告書などによると新潟市は救命救急センターを運営するにあたり、補助対象とならない減価償却費を計上。02〜04年度は各804万円、05年度は約357万円の計約2770万円を、補助金として国と県から過大に受給していた。
 医療施設運営費等補助金は、救命救急センターの運営事業の一部について、3分の1ずつを国と県が補助するもの。02年度からの4年間で3億3747万円の補助があった。設立時に国の援助を受けた施設の減価償却費は補助対象にならないが、市は受け続けていた。所管の厚生労働省と県も気付かなかった。
 新潟市民病院医事課は「減価償却費が補助されないと知らず、毎年計上していた」と不適切な経理を認めた。資料が残っていない02年度以前も過大受給をしていた可能性が高いことを明らかにしたが「資料がないので調べようがない」(同課)としている。05年度で同補助金は廃止された。【黒田阿紗子】
 ◇佐渡市などでも不当事項
 会計検査院の決算検査報告(県内分)ではこのほか、佐渡市がごみ処理施設の設備を壊れたまま放置していたなど、5件の不当事項が指摘された。
 同報告などによると、旧小木町(佐渡市)など旧3町村で構成される事務組合は98、99の両年度の事業で、ごみの焼却灰の体積を圧縮する灰溶融設備を備えたごみ処理施設「南佐渡クリーンセンター」を国庫補助3億5722万円を含む総事業費10億7167万円で整備。04年の合併で、佐渡市が業務を引き継いだ。
 しかし06年に灰溶融設備の温度センサーが壊れた際、修理しないまま運転を再開したため、灰溶融設備全体が故障。市はそのまま放置していた。
 検査院は減価償却を含めた国補助分320万円を返還すべきだと指摘。佐渡市廃棄物対策課の担当者は「合併で別の施設の溶融設備も使えるため、放置していた。(補助分は)返すのが適切だと思う」と話した。
 また、合併前の旧能生町が03〜04年度に実施した、過疎地域の個人世帯に光ファイバー回線を導入する「次世代地域情報基盤整備事業」は、旧町が加入予定者として国に報告していた4265件のうち532件が空き家や宅地造成地分と判明。国庫補助金のうち419万円が余分に支払われたと指摘し、市も返還を決めた。
 このほか、県が03〜06年に小千谷市真人町で行った護岸事業で、設計や工事に誤りがあったと判明。県は指摘を受け、3日までに補修工事を終えた。
 さらに、新潟市と魚沼市で、民間保育所に児童保育を委託する際に費用の一部を国が負担する制度で、負担額の根拠になる保護者の所得額を間違え、それぞれ141万円と120万円を支払いすぎていたと指摘している。【渡辺暢、萩原滋樹】

11月10日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071110-00000000-mailo-l15