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2007年11月09日(金) 11時59分

“日本バレー”にもの申す!(1)〜環境編ツカサネット新聞

バレーボールW杯が開催中だ。全日本女子チームが健気に頑張っている。しかしながら、残念なのは旧態依然とした周辺環境。とりわけ、JVA(財団法人日本バレーボール協会)を中心とした業界全体の「競技スポーツ」に対するビジョンの欠如と、それに伴うトップチーム・選手への消極的なサポート体制が、昨今の“日本バレー”界の体たらくに繋がる最大の要因であることは明らかだ。

JVAの提唱する「2010年までに達成する目標『JVA 21世紀 〜 2010』」には、「〜すべてはファンのために…バレーボールは小学生から家庭婦人まで…〜」などと、「生涯スポーツ」としての大目標が掲げられている。その一方で、「トップレベル」や「競技力」などのキーワードには全く触れていないため、このビジョンを素直に読めば、3大大会(五輪・世界選手権・W杯)で全日本チームが活躍しようが、Vリーグのレベルが上がろうが下がろうが、あたかも協会は関知していないかのようにもとれる。

JFAが「2015年には世界でトップ10の組織に〜」と掲げたような「競技スポーツ」としての明確なビジョンが打ち出せないのであれば、トップチームや選手を管理する資格はないのではないか。このことはバレー界だけに限らず、日本トップリーグ連携機構(バレーの他、バスケット、ハンドボールなど8競技9リーグによる連携組織)によって傷を舐めあっている団体や業界の多くに言えることである。また、トップチームや選手へのサポート体制についても、研修やキャリア支援などの周辺環境の充実より先に、海外移籍の恒常化(特に若年時からの長期派遣)やデータバレーの高度化、外国人指導者(伊リーグ等)の招聘など、直接競技の本質に関わってくる取組みを重視することが必要である。

少子高齢化が進む昨今、スポーツ界全体として競技人口が増えることは考えにくい。子どものスポーツ離れが叫ばれる現状も踏まえると、「低値安定で業界存続」という考え方が通用するとは思えない。むしろ「絶滅危惧種」にならないための方策をとらなければ、衰退の途を辿るという危機感を持つことが重要ではないかと思われる。




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(記者:マコ)

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