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2007年11月09日(金) 10時44分

県民性のウソ・ホント〜長崎県民の実態は?ツカサネット新聞

先日あるテレビ番組を見ていたら、「長崎県民は自転車に乗らない!?」という内容を放映していた。その翌日、長崎市内中心部を約1時間歩いてみると、自転車に乗った人を15人発見した。内訳は大学生、主婦、中年男性など幅広い年齢の人々だ。つまり自転車に乗る人も少数ながらいるわけだ。

長崎県諫早市や大村市では自転車通学の生徒をよく見かける。この地域では乗らない生徒のほうが少ない印象だ。郊外型の大型スーパーには自転車売場もちゃんとある。当然ながらママチャリも存在する。

結論を言うと、「長崎県民は自転車に乗らない!?」ではなく「長崎市中心部の繁華街や坂のある地域では自転車にほとんど乗らない!?」が正解ではないか。そう限定すると内容にウソはないが、長崎県全体の県民性と決めつけるには少々無理がある。せいぜい長崎市民性くらいが妥当だろう。

愉快なバラエティ番組だし語尾に「!?」が付いているので、そんなに目くじらを立てるのも大人気ないとは思うが、生活圏や文化圏の違う長崎市と佐世保市や、五島・壱岐・対馬などの離島を持つ長崎県全体の県民性をひとくくりに表現することに少し疑問を感じた。

「お国自慢」や「県民性」と言っても、出身県全体のことを熟知している人は少なく、たいがい自分が生まれ育った狭い地域限定のことを拡大解釈して、おもしろおかしく言っているような気がしてならない。時代によっても地域性や住民気質は刻々と変化しているように思う。

もっとも、地域独特の慣習やそこに住む人々の性質を紹介することは、興味深いし楽しいことだと思う。方言も含めて今まで当たり前だと思っていたことが、他の地域や都会では通じなかったなんて経験をした人も多いはずだ。「エスカレーターではどっち側に立つ?」「横断歩道の信号はきちんと守る?」「バス停では一列に並ぶ?」「醤油は濃口派? 薄口派?」など地域性の違いの出る話題はおもしろい。全国の人々が集まる酒席の“肴”にもぴったりだ。

テレビ番組を見ながらふと思ったのだが、他県の「県民性」について在住の市民記者はどう感じているのだろう。冷静な目線や意見をぜひ聞いてみたい気がする。


(記者:オガナリヨ)

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