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2007年11月09日(金) 10時43分

そして少年は神となる 肝付流鏑馬ツカサネット新聞

鹿児島三大流鏑馬の一つ、肝付町・四十九所神社前での流鏑馬が10月21日に開催された。約900年の歴史を誇る県無形民俗文化財だ。この神事は国家の安泰、悪疫退散、五穀の豊饒を祈願して行われており、元々の始まりは、この地を治めていた大隅の豪族肝付氏が居住し、農耕の中心地であることに関係あるそうだ。射手は馬に乗って約330メートルの参道を3回疾走。3か所に設置された60センチ四方の板を狙い、計9本の鏑矢を放つ。

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これを行う射手は毎年初心者で、なんとまだ中学2年生の生徒が行うのだ。練習期間も8月から始め、1か月しかないというから、多くのプレッシャーに打ち勝たなければならない。鎌倉時代の武士の狩り装束と色鮮やかな笠を被り薄化粧をした少年は、真弓受けの儀(神事)を終え、観衆が見守る中、馬と共に走り出した。

バシーン!! と鳴り響く的が、的中したことを知らせる。「わぁぁ〜」っと湧き上がる歓声と拍手。まだ幼さが残る少年は、まさにこの時神となった。

結果は、8本。実は9本的中するのは縁起が悪いとされており、わざと1本外したというから驚きだ。昨年まで神馬を務めた高富士号が高齢のため引退し、今年は若い銀河号がデビューというどちらも「初心者」。見事大役を務めあげたフレッシュなコンビへ…感動をありがとう。




開催日 毎年10月第3日曜日
会場 鹿児島県肝付町高山橋河川敷広場(イベント会場)
四十九所神社前宮之馬場(流鏑馬)


(記者:広夢)

■写真
写真撮影:広夢記者

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