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2007年11月09日(金) 17時00分

いまさら聞けない『初音ミク』大人気のワケとは?R25

今ネット上で話題になっているアイドルの筆頭といえば「初音ミク」。ニュース記事などでも名前を見かけるけど、一体何者…? という諸兄に向けて、以下解説。

「初音ミク」とは、今年8月に発売されて以来、異例の売り上げを記録しているDTM(いわゆる“打ち込み”)ソフトの一種。パソコンで作曲したメロディーに歌詞を入力すると、プロ声優の声を音源とした合成音声で歌い上げてくれるもので、その声のイメージキャラクターこそ“バーチャルアイドル・初音ミク”というわけ。実際に作品を視聴してみると、生身の人間に近い滑らかなボーカルに驚く。しかも萌え系ボイスだから、“この声に好きな言葉を歌わせてみたい!”という衝動に駆られたユーザーが続出し、これまでDTMに興味のなかった層も巻き込んでブームになっているのだ。

火付け役となったのは、動画投稿サイトの「ニコニコ動画」だ。10月30日現在、同サイトに投稿されている初音ミク関係の動画ファイルは8294本にも上る。その内容のほとんどが、ユーザーが「初音ミク」で作成した楽曲をバックに、アニメなどを加えて動画に仕立てたオリジナル作品だ。

「発売直後から、ニコニコ動画やYouTubeなどにユーザー制作の楽曲が数多く投稿され、それを見た人がソフトを購入→投稿するという流れが加速して、現在に至っています」(企画・制作を担当したクリプトン・フューチャー・メディアの佐々木氏)

作品が作品を呼び、パロディがさらなるパロディを呼んで、今やDTMの枠を超えた様々なフィールドで「初音ミク」を使ったコンテンツが自然発生的に誕生している。

「見知らぬクリエイター同士が刺激し合い、高め合いながら創作が広がっていく様子は、ネットの世界ならでは。これからも初音ミクはユーザー一人ひとりの手で成長し、可能性を広げてくれると思います」(同氏)

育てる楽しみがファンに開かれているアイドルは、お茶の間クリエイターにとって最高の“素材”でもあるわけだ。
(R25編集部)

「コンピュータによる音声合成の歴史ダイジェスト」を見る

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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