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2007年11月09日(金) 01時26分

<名古屋観光日急>飲酒検査に身代わり毎日新聞

 名古屋鉄道グループの「名古屋観光日急」(名古屋市中村区)は8日、春日井営業所の男性運転手(33)が、社内の飲酒検査に身代わりを立て、名古屋から大阪まで酒気帯びで高速路線バスを運行していたと発表した。

 同社によると、この運転手は10月18日午前0時ごろまで飲酒し、同6時ごろ乗務のため出勤した。酒の臭いに気付いた運転手班長(45)は、検知データが記録されないよう、この運転手に飲酒検査器の読み取り装置に免許証を通さないで検査するよう指示。呼気1リットル中0.05〜0.03ミリグラムのアルコールが検知された。

 しかし、運転手が乗務を希望したため、班長はこの運転手の免許証を読み取り装置に通させ、別の運転手(28)の呼気を記録して乗務を認めた。酒気帯びの運転手は名鉄バスセンター(同区)からバスに乗客11人を乗せ、名神高速道路経由で大阪市の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」まで約220キロを運転。復路も乗客16人を乗せて戻ったが、乗車後検査では検知されなかった。

 この不正は今月4日、内部通報で発覚。同営業所では8月にも酒気帯び運転の運転手が懲戒解雇されていた。班長は「また検知されたらまずいと思った」と説明し、運転手は「酔った感覚がなく大丈夫と思った」と話しているという。

 道交法では0.15ミリグラム以上が酒気帯び運転だが、同社はアルコールが検知された場合、乗務を禁じている。8日に謝罪会見した村瀬新一社長は「監督すべき班長が不正を行ったのは特に悪質。厳しく処分する」と話した。【井崎憲】

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