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2007年11月09日(金) 08時03分

少年審判傍聴に反対 被害者の会「真相解明期待できず」産経新聞

 自民党法務部会小委員会が、原則非公開となっている少年審判を犯罪被害者や遺族が傍聴できるよう少年法を改正すべきとした素案をまとめたことに対し、被害者の遺族や弁護士らでつくる「被害者と司法を考える会」が8日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、反対意見を表明した。

 会見には、東京都世田谷区で平成9年、ダンプカーにひかれて二男の隼(しゅん)君=当時(8)=を亡くした同会代表、片山徒有(ただあり)さん(51)らが出席した。

 自民党素案に反対する理由として、心の傷が癒えない時期に審判を傍聴することは被害者にとってかえって負担になる▽少年の更生を目標にした少年審判では被害者が納得できる真相解明を期待できない−ことなどを挙げ、「被害者の不条理感、制裁を求める気持ちは理解できるが、それを少年審判にすべて求めるのはどうかと思う」と訴えた。

 少年審判をめぐっては、13年の改正少年法施行に伴って、被害者らが意見陳述できるようになったが、裁判官の許可が必要となる。このため、被害者らから審判を傍聴できるよう求める声があり、自民党法務部会小委員会は今月、殺人など一定の重大事件に限って傍聴を認めるよう法改正を行うべきだとした素案をまとめていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071109-00000106-san-soci