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2007年11月09日(金) 00時50分

<公取委>国際カルテルの疑いで松下子会社に立ち入り検査毎日新聞

 テレビ用ブラウン管の販売を巡り韓国、香港、台湾などのメーカー数社と国際カルテルを結んでいたとして、公正取引委員会は8日、松下電器産業の子会社「MT映像ディスプレイ」(大阪府高槻市)に独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査した。韓国公取委や欧州委員会、米国司法当局なども同日、それぞれ調査に乗り出し各国の当局が連携して解明を進める模様だ。

 関係者によると、同社や韓国のサムスン電子系列会社などメーカー担当者らは05年ごろから複数回会合を開き、日本などアジアのテレビメーカー向けに「目標販売価格」を取り決めるなどのカルテルを結んでいた。日本での市場規模は30億円程度。日本市場以外ではパソコンなどに使うモニター用ブラウン管についてもカルテルを結んでいたとの疑いもあるという。

 日本では液晶など薄型テレビの普及でブラウン管テレビの需要は減少し、05年には薄型テレビが上回った。しかし、ブラウン管テレビは価格の安さから、発展途上国を中心に根強い人気がある。

 公取委は各国当局と連携した国際カルテルの摘発に力を入れており、昨年12月には液晶パネルを巡り日本や韓国、台湾などのメーカーが国際カルテルを結んでいたとして、連携して調査に着手している。

 松下電器産業広報グループは「公取委の立ち入り検査が入ったが、内容については答えられない。松下グループとして検査には協力をする」とのコメントを出した。

 MT映像ディスプレイは、資本金100億円で松下電器産業の100%子会社。従業員は9077人(3月末現在)。03年に松下が64.5%、東芝が35.5%を出資して「松下東芝映像ディスプレイ」として設立したが、今年3月末に松下が東芝保有の株式を買い取り、現社名に変更した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071109-00000004-mai-soci