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2007年11月09日(金) 16時00分

「比内鶏」社、家宅捜索へ 秋田朝日新聞

 秋田県大館市の鶏肉加工販売会社「比内鶏」(藤原誠一社長)が比内地鶏と偽って別の鶏肉や卵を販売していた問題で、県警生活環境課と大館署は近く、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで、同社や関係先を家宅捜索する方針を固めた。今後、詐欺容疑での立件の可能性も含め、全容解明を進める。

 藤原社長はこれまでの県の調査などに対し、同社が約10年前から、薫製や肉団子、つみれ商品など15品目について、卵を産まなくなった「廃鶏」などを使いながら、「比内地鶏」と原料表示を偽って出荷していたことを認めている。県警はこのことが不正競争防止法違反にあたるとみている。

 一連の偽装は10月、「薫製の卵に比内地鶏以外の鶏を使っている」との大館保健所への匿名の電話で発覚した。県はこれまでに同社や藤原社長が社長を務める大館養鶏、秋田鶏卵食品工業の3社に立ち入り調査している。藤原社長にも事情を聴いていた。

 藤原社長は、製品表示に問題があることを約5年前に認識したとし、その後の製品表示の偽装は自らの指示であったことを県の調査や記者会見で明らかにしている。

 県警は、比内鶏社がただ同然で取引される廃鶏を高価な比内地鶏と偽ることで、小売店などから差額分をだまし取った疑いもあるとみている。

 県警は今後、県と連携して情報収集し、関係者から事情を聴くとともに、関係先を一斉捜索し、偽装に使った原料の仕入れや偽装商品の販売経路、偽装の総量などについて解明を進める。

http://www.asahi.com/national/update/1109/TKY200711090259.html