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2007年11月09日(金) 00時00分

頭が真っ白になる読売新聞

 先日、王者内藤大助選手と亀田大毅選手で争われたボクシングの世界タイトル戦は、物議を醸しました。

 試合中に反則を指示した疑惑を会見でただされた亀田選手の兄、興毅選手は、「初めての大毅の世界タイトルマッチだったので、舞い上がって頭が真っ白になっていた」と答え、疑惑を認めました。

 ぼうぜんとなり、思考力が働かなくなることを、日本語では「真っ白になる」と言いますが、英語では「空っぽになる(go blank)」と表現します。

 ですので、興毅選手の発言を英語にすると It was Daiki's first world title fight,so I got emotionally overwhelmed and went completely blank.となります。

 緊張で頭の中身がどこかへ飛んでいってしまい言葉が出なくなるというのは、人前で発言する、発表するという場面で多いのではないでしょうか。

 「友だちの結婚披露宴で、マイクの前に立った瞬間、頭の中が真っ白になり、用意してきたスピーチをすっかり忘れてしまった」という経験のある方もいるかも知れません。これは At my friend's wedding party, as soon as I stood in front of a microphone,I got stage fright and completely forgot my speech I'd carefully prepared.と言えます。 stage fright は「(舞台上など)人前で緊張すること」を指す表現です。

 学校では、When the teacher asked me a question,I just looked at him in blank surprise because I was spaced out.(ぼんやりしているところを先生に当てられたので、びっくりしてただ見つめ返すしかなかった)などということもあるでしょう。

 ところで緊張や驚きでは頭の中が真っ白になりますが、恐怖に襲われると頭の外側、髪の毛が真っ白になるといわれます。例えば、「マリー・アントワネットは死刑執行の前日、恐怖のあまり一晩で髪が真っ白になった。( Marie Antoinette's hair turned snow‐white over night on the day before she was executed.)」という伝説があります。

(上羽宏幸記者)

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