記事登録
2007年11月09日(金) 12時51分

モバイルSuica不正利用 被害額1000万円に産経新聞

 携帯電話に入金した電子マネーで電車に乗ったり買い物ができるJR東日本の「モバイルSuica(スイカ)」で、昨年12月ごろから、不正に入手したカード情報で他人になりすまし、電子マネーが使用される被害が相次いでいることが9日、分かった。被害額は確認できているものだけで約1000万円に上り、JR東日本は警視庁原宿署に被害届を提出。同署は電子計算機使用詐欺の疑いで捜査している。
 JR東日本などによると、モバイルスイカは、氏名、生年月日、クレジットカード情報などを携帯電話に入力して送信すると会員登録される。携帯電話に入金した電子マネーは、登録したクレジットカードで決済される仕組み。
 しかし、この会員登録の際、クレジットカードの暗証番号の入力は必要ない。また、会員情報とカード会社の情報が一部しか照合されず、不正に入手したカード情報を悪用して会員登録された可能性があるという。不正に使われたカードは65枚に上っている。
 モバイルスイカでは電子マネーの入金上限額は2万円だが、使用して残額が減れば、1日何度でも入金することができる。クレジットカードでの決済は約1カ月後となり被害者は気が付きにくい。1枚のカードで300万円が使用されたケースもあるという。
 JR東日本は1日の利用額を2万円に制限するなどの対応策のほか、本人確認の強化に暗証番号入力やカード情報の照合項目を増やすことも検討している。同社広報部は「すでに再発防止対策に取り組んでいるが、今後ともシステム強化などさらなる対策に努める」としている。

【関連記事】
他人のマイルを電子マネーに交換、入金 22歳会社員逮捕
財布持たず観光満喫 デジタルチェック 鎌倉・湘南地域で電子マネー本格展開
非接触のICカード 11年に1069億円規模へ
イオンの電子マネー「ワオン」の利用地域拡大へ
【ランキング】電子マネー戦争、1位は?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071109-00000927-san-soci