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2007年11月08日(木) 12時05分

事故を起こしたあなたへ問いたいツカサネット新聞

知り合いのKさんが今年の初めに事故に遭った。自転車で交差点を横断していると、一時停止を無視した車が突っ込んできたのだ。Kさんはかなりの距離を跳ばされたが、運良く顔と足の怪我のみで命には別状なかった。

加害者は18歳の免許取得したばかりの青年だったそうだ。とりあえず警察より事情聴取が済んだ後、保険にて処理をしたいとのことで話がついた。

事故が起きたときには「相手は若かったが、逃げずにきちんと救急車も呼んでくれた」と(当たり前のことではあるのだが)相手のそれなりの誠意も感じていたKさんだったが、その後、お見舞いにも現れない、何の音沙汰もない相手に失望。加えて、保険の担当者は簡単な電話だけのやりとりだけで、姿さえも現さない。Kさんが何も言わないのを良いことに、病院への手続き等(現在は個人情報保護法の関連で色々な手続きが必要になるのだとか)も後回し。そんな状況が続いて事故から半年以上も経つが、未だ首や背中、さらには頭痛、不眠などにも悩まされる日々が続いていると言う。

Kさんの一番腹立たしいことは、被害者である自分は「事故」のおかげで生活は一変してしまった、仕事や生活、趣味においても制限が出てしまい、「事故」という事実が体だけではなく心にも重くのしかかる。しかし、加害者はどうなのか? もう事故を起こしたことさえ、忘れ去ってしまっているのではないのだろうか? と言うこと。

体の痛み、そこからくる生活の不自由。保険会社との後遺症の認定を巡るやりとりで、すり減る神経。重症ではないためか、その保険の担当員からの連絡も遅れがちだと言う。確かに、もしものことを起こしたときの保険である。しかしこの保険は、決して起こしたことを帳消しにして、自分とは関係なかったことにするものではない。

Kさんは言う。「被害者がこんなに苦しんでいることを知らずにいるのなら、若い彼はまた交差点で立ち止まらずに進入するのではないか?そしてまた第二、第三の私を生み出すのではないだろうか?」

事故を起こしたあなたへ問う。

事故を起こした感触をあなたは覚えているのだろうか?
それこそスローモーションのように繰り広げられたであろうその瞬間を未だ脳裏に焼き付けているのだろうか? あなたが傷つけたその人は苦しんでいます。あなたはその人の顔を覚えているのだろうか?

(記者:さっちん)

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