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2007年11月08日(木) 11時34分

勘違いだらけの英語学習ツカサネット新聞

「“国際人”になるためには、日本(自分の国)のことを良く知っておくということも大切だが、“グローバルスタンダード”を知っておくことも大事なんですよね」

元テニス選手の松岡修三氏が、以前テレビでこんなことを言っていたのを見たことがある。

「国際人」というものに対する評価は別として、少なくとも英語を学ぶ人なら活動の場を国際的に広げようという意志はあるのだろうと思う。外国人と仕事をしたり交流したりするなら円滑にコミュニケーションをとりたいと思うのだろう。となると、ある程度は外国の人たちと情報や価値観を共有しなければならなくなる。

「グローバルスタンダード」と聞くと、欧米的な価値観偏重型で、日本人的価値観を否定していると憤慨する人もいるかもしれないが、欧米社会の価値観を知っておくだけでも損はないはずだと思う。かたくなになって、日本の価値観を追及し続けていても自分の得になるかといったらそうとは限らない。全く異質の文化を持った「分かりあえない人」だと思い込まれる前に、なかなか「話の分かる人」だと思わせ心を開かせるのも外交の一つの手段だと思うのだがどうだろうか。

日本的尺度で外国人の行動や考え方、文化を理解しようとしても謎は深まりフラストレーションはたまるばかりである。そればかりか、論理より感情を優先する日本の情緒的な発想は、知的な活動においては不利に働くことが多く、また異なる文化のバックグランドを持った外国人には理解されないことが多い。海外での生活・活動において、価値観の多様性を受け入れることは非常に大事なことなのだ。日本に住んでいると、そのバランス感覚を養うのは非常に難しい。異質な価値観に出会うと変に守りに入ってしまったり、嫌悪感を抱いたりしてしまいがちだ。

英語を学ぶということは、単に「英語」という言葉だけを学ぶのではない。「英語」という言葉を使って、「日本人以外の誰かとコミュニケーションをとる」ことを学び、英語の「文化的背景」を学ぶのである。英語を話す相手の存在を無視しては会話が成り立たないし、英語圏の文化を無視して英語を使いこなすのも難しい。英語を習得するためには、様々な知識や価値観を受け入れることから始めるべきだと思う。特にお子さんを持った、早期英語教育に力を入れる親御さんに言いたい。


(記者:ACCO)

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