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2007年11月08日(木) 08時01分

新幹線車内でスクワット300回…修学旅行夜ふかしペナルティースポーツ報知

 栃木県下野(しもつけ)市の県立石橋高校(岡正夫校長)の修学旅行で、教諭が2年生の男子生徒11人に対し、就寝時間を過ぎても眠らなかったなどとして、帰りの新幹線車中で最大300回のスクワットを科していたことが7日、分かった。うち1人の生徒は血液検査で異常が見つかり、9日間入院。岡校長は「行き過ぎた指導だった」と話している。

 楽しかった旅の終わりに過酷なトレーニングが待っていた。石橋高校の教頭によると、修学旅行には2年生約240人が参加。10月21日から3泊4日の日程で広島や神戸を巡り、10月23日は京都に宿泊した。

 決められた就寝時間は午後11時。教諭が各部屋の見回りを行ったが、午前1時になっても起きていたり、別の部屋を行き来していた生徒がいたという。確認したところ、男子生徒11人が該当した。

 24日朝になって教諭たちが「寝たい子もいたはずだ」「周りに迷惑をかけた」として、夜更かしの11人に「何らかのペナルティーを」との案が浮上。引率の教諭たちの話し合いでスクワットに決定した。

 なぜスクワットが選ばれたかについては「はっきり分からない。誰からということもなく提案が出たようだ。特にスポ根の教諭がいたのではない」と教頭。「新幹線の中では走ったりすることが出来ないので…」と理由を推測した。

 京都から東京に向かう東海道新幹線が「名古屋に着かないうちに」スクワットはスタート。貸し切り状態の車両デッキに集められた学ラン姿の生徒11人は、教諭のカウントに合わせ、最大300回「15〜20分くらい」の過酷トレを敢行した。引率責任者だった教頭もスクワットをさせることを知っていたという。

 旅行後、武道系の部に所属していた1人の生徒が足腰に激しい筋肉痛を訴えた。検査の結果、血液に異常が発覚。急激な運動が原因とみられ、27日の公式戦出場を断念し29日から今月6日まで入院した。この生徒はスクワット中にペースダウンしたため、教諭が「大丈夫か」と声をかけたが「まじめな生徒で『最後までやります』と言って続けた」(教頭)という。

 同校は7日、この日行われた全校生徒参加のマラソン大会の後に生徒への事情説明を行った。県教育委員会は「高校に内容を確認中。必要があれば調査し、処分が必要かどうか検討する」としている。

 ◆スクワット 一般的には、立ったまま手を頭の後ろで組み、ひざを曲げて座る動作を繰り返す。尻や太ももなど足回りの筋肉を鍛えるのが目的で、女優の森光子さん(87)の日課としても有名。新日本プロレスの中邑真輔さん(27)によると、10回程度から始めるのが良いという。「全身運動なので、脳幹が刺激され、我慢強くなるらしいです」。レスラーともなると「1000回以上もこなす」というが「高校生で300回は無理。新幹線の揺れも加わると相当きつい」と顔をしかめた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071108-00000096-sph-soci