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2007年11月08日(木) 18時47分

<成年後見詐欺>元行政書士らに実刑判決 東京地裁毎日新聞

 成年後見に絡む詐欺事件で東京地裁は8日、詐欺罪に問われた元指定暴力団松葉会系組員、神林正一被告(47)に懲役4年6月(求刑・懲役5年)、元行政書士、山本成男被告(47)に同2年6月(同・同3年6月)を言い渡した。河田泰常裁判官は「身寄りの少ない高齢女性を狙い、資産の大半をだまし取った悪質な犯行だ」と述べた。

 判決は、両被告が被害女性の任意後見人になって財産を管理しようとしたと指摘。神林被告を「主導的立場」と認定する一方、実際に任意後見契約を結んだ山本被告について「専門知識を駆使して神林被告に加担した。女性を保護すべき立場にありながら被害拡大に手を貸し、自らも多額の利得を得た」と非難した。

 判決などによると両被告は05年、東京都杉並区の女性(95)からアパートを購入した際の税金や、遺言作成の調査費などの名目で計950万円を詐取。また神林被告は04年にも女性から借金名目で2000万円をだまし取った。リフォーム業者として女性宅に出入りし「お母さん」と呼ぶまで親しくなった神林被告が、税金や法律に詳しい人物として山本被告を紹介した。

 山本被告は10月の被告人質問で「心の奥底にある身勝手な金銭欲が出た。女性の信頼を悪用して裏切ってしまった」と振り返った。【銭場裕司】

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