記事登録
2007年11月07日(水) 11時58分

小沢騒動の陰で安倍氏はどう動くのか?ツカサネット新聞

今、誰よりも今回の自民・民主大連立構想の「突如の」出現と今後の行方に重大な関心を持って、息を潜めて見守っている人物がいるとすれば、それはきっと安倍前首相ではないだろうか。

そもそもの発端は、今夏の参議院選挙で大敗した自民党安倍党首が首相として再任され、秋の臨時国会で所信表明をした翌日、野党の代表質問を前に、小沢代表との会談を拒否されたことを理由に体調を崩し、即入院したことである。その解決を図った安倍首相の想いを蹴った小沢代表が、よりによって、福田新首相との会談をあっさり受けたばかりか、一般国民は勿論のこと、ほとんどの議員にとっても想定外の大連立構想を嬉々として受諾したのである。

ところが、想像するに、小沢代表の誤算は、柔軟思考の限界を超えた驚愕すべき構想を告げられた民主党役員が、小沢代表のプライドを傷つけるほどの過剰反応を示したことであろう。

歴史に「もし…」は通じないと言われるが、民主党役員に、もう少し「政治家的成熟度」(いわゆる、「海千山千」精神)が備わっていたならば、「代表、分かりました。少し時間をかけて、検討してみましょう」とその場は納め、翌日、「やはり、ちょっと国民の納得は得られないのでは」とやんわり拒否していれば、小沢代表も辞任などという発作的な行動には出なかったであろうに、と考えてしまう。何れにせよ、政治家の行動が幼児なところが国民としては迷惑であり、国際的にも「恥ずかしい」と言いたい。

ところで、安倍前首相は登院しているのであろうか。もし、まだ自宅療養中なら、今回の小沢代表の大連立受け入れ姿勢の表明とその直後の辞任表明、撤回劇に国民の目が奪われているこの機会を逃すと、国会にさり気なく姿を現すチャンスはなかなかやってこないのではないかと思う。安倍前首相の体調を崩すほどの深刻な課題が、「テロ特別措置法」の延長問題であったことが国民の前に明らかになった今こそ、堂々と再登院されてはどうかと思う。

何れにせよ、政界再編の芽が出てきたことだけは間違いないようである。






■11月7日政局関連記事
大連立は消費税率アップの布石だ
大連立構想における仮説(2)
結局、一番政権担当の能力がなかった小沢氏
小沢代表が辞意撤回 国民は政治に関係なし




(記者:すばる)

■関連記事
すばる記者の書いた他の記事
「政治・政治全般」カテゴリー関連記事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071107-00000014-tsuka-pol