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2007年11月07日(水) 11時56分

結局、一番政権担当の能力がなかった小沢氏ツカサネット新聞

リーダーの役割は何かを考えた時、最低限チームをまとめるということが求められる。

その意味では、福田康夫氏は、自民党を率いる最低限の資格を持っていると言えるだろう。自民党自体が既得権益の受益者に支えられる政党だから、チームを纏める為には各レベルの既得権を守る立場にならざるを得ず、従って、現在の日本国総理大臣として問題があると言う事になってしまうのだが、最低限自民党のリーダーとしてチームをまとめる役割は果たしている。

翻って小沢民主党代表は、どうだろう。彼の辞意表明記者会見、そして撤回に関するニュースを聞いていて大変疑問に思ったことがある。

まず、民主党代表を辞めたいということをわざわざ記者会見を開いて表明した真意が分からないかった。本来、記者会見をするのであれば、辞任が確定してから実施すべきではないか。既成事実を作りたかったのか、それとも、大連立という自身の考えを民主党役員達に認めさせる為の苦肉の策だったのだろうか?

あの大政翼賛会でさえ、一応は選挙を実施して国民の信を問うた結果、議会多数を得た。もし自民党・民主党の党首会談で、その様なことが実現していれば、大政翼賛会以下の非民主的な談合と断ずる他無い。そもそも有り得ない選択としか言い様がなく、本気でそんな事が実現されると考えたのだろうか。

しかも、少なくともその後の福田首相の言動を確認する限り、どうやら小沢氏の一方的な思い込みで踊っていた気配が濃厚となって来た。どれほど無能な政治家でもここまでは出来ないと言って良いくらいの失態だと思う。

次に、辞めるにしても、どうしてわざわざ民主党の政権担当能力に疑問符が残るような説明をしたのか。小沢氏は続投となったが、リーダーとして自分のチームに能力がないに等しい発言をしてしまった以上、信頼回復のために不毛な言い訳を要求されるはめになるのだろう。

辞めるなら、健康上の理由だとか他に問題のない説明はいくらでも出来ると思うし、余計な混乱を産み出さないためにも、後の体制について十分に党内で協議して固めた上で辞任会見を行うのが責任あるリーダーと言うものではなかったか。いずれにしても、今回の騒動で明らかになったのは、小沢一郎その人にリーダーの資格も政権担当能力もないということだろう。

政権交代可能な二大政党による政治という構想も、これで数年は後退した。政権奪取も遠のいた訳だから、公約を守って、今度こそ潔く政界を引退するしかないだろう。

しかし、これまでの小沢氏の政治活動は一体何だったのか。彼には、何も残らない結果となってしまった。小沢フリークとも呼べる大勢の人たちがいるだけに残念な結末と言う他ない。





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(記者:黒猫トム)

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