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2007年11月07日(水) 12時02分

上越の女性強殺:盗み教唆の男逮捕 金の保管場所の図面手渡し、800万円 /新潟毎日新聞

 ◇800万円受け取る
 今年7月に上越市の不動産賃貸業、石田悦子さん(当時74歳)が窒息死させられ、自宅から現金約2600万円が奪われた事件で、事前に石田さん宅の情報を実行犯に提供し窃盗をそそのかしたとして上越署捜査本部は6日、同市木田2、無職、小林修容疑者(36)を窃盗教唆の疑いで逮捕した。小林容疑者は容疑を大筋で認めているという。
 調べによると、小林容疑者は6月中旬ごろ、自宅アパートの部屋で、実行犯で主導役の東京都新宿区西新宿4、自称人材派遣業、佐藤雅樹被告(37)=強盗致死と住居侵入の罪で起訴済み=に「石田さんの自宅に多額の金があり、月末になるとテナントの集金で留守にする」などと教え、空き巣に入るようそそのかした疑い。
 小林容疑者は佐藤被告に対し、石田さん宅の間取りに金庫や金の保管場所を示した図面も手渡していたとみられる。小林容疑者は佐藤被告に多額の金を貸しており、犯行の数日後、都内で佐藤被告から現金約800万円を借金の一部返済として受け取った。
 小林容疑者は90年ごろ、佐藤被告と市内の自動車修理販売会社で同僚として知り合い、6、7年前から金を貸していた。03年から石田さんのテナントビルで飲食店を経営し、佐藤被告を店長として雇用。昨年2月ごろに経営悪化で閉店後、自身も借金があった小林容疑者は佐藤被告に借金返済を迫り、空き巣話を持ちかけた。
 起訴状などによると、佐藤被告が図面を見せて指示したうえで6月30日夕、同区歌舞伎町2、無職、生方久巳(45)と上越市の事件当時19歳の工員(20)の両被告=ともに同罪で起訴済み=が空き巣に入ろうとしたが石田さんが在宅していたことなどから断念。計画を練り直して7月1日午前0時ごろ、佐藤、生方両被告が石田さん方に侵入。石田さんの顔面などを粘着テープで縛り、窒息死させ、現金約2600万円を奪った。
 また、これまでの調べで、佐藤被告は盗んだ約2600万円のうち約800万円を生方被告に報酬として渡し、自らは約1000万円を受領したことも判明。さらに佐藤被告は工員にそのうち数十万円を報酬として与えたといい、同本部は裏付けを進めている。【岡田英】

11月7日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071107-00000122-mailo-l15