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2007年11月07日(水) 02時33分

<山田洋行>米子会社元社長が実行役 裏金数億円に毎日新聞

 防衛省の守屋武昌前事務次官(63)を接待していた防衛専門商社「山田洋行」の宮崎元伸元専務(69)が米国子会社の資金を横領したとされる疑惑で、子会社の元社長(70)が指示を受け、不正な資金引き出しを行っていたことが分かった。宮崎元専務を業務上横領容疑で立件する方針を固めている東京地検特捜部は、米国に滞在中の元社長についても共謀したとして立件を検討しており、元社長に帰国を求めた模様だ。

 関係者によると、宮崎元専務は米子会社「ヤマダインターナショナルコーポレーション」の役員報酬名目で、山田洋行オーナーあてに小切手を振り出し、換金したうえで元社長名義の銀行口座に移動。さらに、別の銀行や証券会社の口座に移すなどして裏金化していた。宮崎元専務はこうした経理操作を元社長に指示していたといい、裏金は98年以降の約10年間で数億円になるとみられる。

 このうち約1億円については、元専務が06年、不正に引き出したうえで日本に送金させたとして業務上横領の疑いが持たれているが、この際も元社長に資金の移動を指示したという。

 元社長は、宮崎元専務が同6月に山田洋行を退社すると、後を追うように8月に退社。9月に2人が主導して同業の「日本ミライズ」を設立し、元社長はミライズの専務と米国法人「日本ミライズUSA」の代表取締役に就任した。特捜部は、宮崎元専務と元社長が、着服した資金の一部を新会社の運営資金に充てたとみている。

 元社長は宮崎元専務の側近といわれる。英語が堪能で米国勤務が長く、訪米した旧防衛庁幹部らを接待していたという。守屋氏の次女が米国の語学学校に入学する際にも、元専務の指示で住居探しや生活品の購入などを手伝ったとされる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071107-00000016-mai-soci