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2007年11月07日(水) 21時51分

<ミートホープ>元社長ら4人を追送検 取引先に詐欺容疑毎日新聞

 苫小牧市の食肉加工卸会社「ミートホープ」(自己破産手続き中)の不正競争防止法違反事件で、道警捜査本部は7日、田中稔元社長(69)ら4容疑者を詐欺容疑で札幌地検へ追送検した。田中容疑者らは先月24日、偽装牛ミンチを出荷した同法違反(虚偽表示)容疑で逮捕されたが、取引先をだました詐欺容疑でも立件されることになった。刑法の詐欺罪(10年以下の懲役)は虚偽表示(5年以下の懲役または500万円以下の罰金)より重い罰則となっている。

 追送検されたのは田中容疑者のほか、元専務の三男恵人(よしひと)(34)▽元工場長の中島正吉(59)▽元ひき肉製造責任者の岩谷静雄(64)の3容疑者。

 調べでは、田中容疑者らは偽装が発覚した今年6月までの1年間で14回にわたり、冷凍食品会社「北海道加ト吉」(赤平市)など取引先3社に対し豚肉や鶏肉などを混ぜた偽装牛ミンチを「牛100%」と偽って出荷し、計約3900万円の利益を上げた疑い。豚の血液やハムの着色料なども使って牛ミンチに見せかけ、色が不自然にならないように肉を通常より細かく切断する「二度びき」も行っていた。

 田中容疑者らは牛ミンチの偽装を95年ごろから本格的に始めた。調べに対し田中容疑者は「原価を下げ、利益を上げるため、会社の方針として違反行為を計画的に行った」、恵人容疑者も「取引先が会社へ来たときは、原料を隠すなどの指示をした」と詐欺の認識があったことを認めている。中島、岩谷両容疑者も容疑を認め「社長の指示には逆らえなかった」と供述しているという。

 被害額が大きかった3社以外の取引先も被害届を出しており、捜査本部は容疑が固まり次第、さらに追送検する方針。【水戸健一】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071107-00000137-mai-soci