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2007年11月07日(水) 06時30分

NOVA受講生「支援と言えぬ」 授業料返らず朝日新聞

 経営破綻(はたん)した英会話大手「NOVA」に、支援企業が現れた。だが当面引き継ぐのは、わずか30教室。巨額の前払い授業料の返還も見通しが立たない。受講生からは怒りや失望の声が相次いだ。

 東京都豊島区の教室に通う大学研究員の女性(30)は、名古屋市のベンチャー企業が支援に入ると決まったことについて「受講生にとっては支援といえない」と話す。NOVA受講生には今後、授業料の25%で受講させると伝えられたが、「そうまでして続けたい人がどれだけいるか」と疑問を示す。大量の前払い分を残す知人の受講生から教室閉鎖後、こんなメールが届いたという。「支援先が現れることに希望をつなぎます」。待ちに待った支援企業の登場だったが、「何もありがたくない」と憤った。

 「経営者が代わるだけで元のように通えることを願っていたのに」。NOVAで12年ほど仏語を学んできた男性(72)は、ため息をついた。前払い授業料のうち15万円分ほどが未受講。だが、それよりもせっかく学んだ仏語が閉鎖以来使えずに衰えを感じる。大幅縮小で仏語教室自体が無くならないか心配だ。

 埼玉県三郷市の40代の男性会社員は、大学生と高校生の子供ふたりをNOVAの教室に通わせてきた。3月以降、2人分の前払い授業料四十数万円を支払い、まだ相当残っていた。「経営者が代わって授業が続けば問題なかったが、教室は閉鎖、授業料も返ってこないなら本当に悔しい」と不満を口にした。

 「私たち受講生は損しただけ」と嘆く30代の女性会社員は、大阪市内の教室に7年前から週1、2回通ってきた。前払いした授業料がまだ10万円分残る。しばらく英会話は続けたいと思うが、「大金を払った会社がこんなひどいところだったなんて自分に腹が立つ。しばらくモチベーションが上がりそうにない」。

 大阪市内の別の教室に通っていた兵庫県の20代男性は「新たな企業には金もうけ主義の経営をしてほしくない。とにかく説明会を開いて情報を与えてほしい」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/1107/TKY200711070001.html