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2007年11月06日(火) 11時12分

検証 「都会の無関心」〜ある人身事故よりツカサネット新聞

つい先日、私が実際に体験したことです。東京の人は冷たいとよく言われますが、それを実感した出来事です。ある日、友人とご飯を食べ、帰り道、電車を待っていたときのこと。酔っ払ったおじさんが、まだ停車していない電車によっていくので大丈夫かな? とハラハラしながら見ていると、どんどん、どんどん近寄っていき、最終的にはドーンとぶつかって、跳ね飛ばされてホームへ倒れこみました。

ホームにはたくさん人がおり、その場所付近に5〜6人の人がいましたが、みなさん、ジッと声もかけず、ただ周りから見ているだけでした。5mぐらい離れた位置に私がおり、あわてて近寄って声をかけました。「大丈夫ですか?大丈夫ですか?」と。

倒れたおじさんは顔面を打っているようで、口を切って血を出しながらまだよっぱらって、「いたいよぉ〜しんじゃうよぉ〜」と言っていました。ああ、大事には至らなそうだと思いながら、携帯を出して救急車を呼びました。

駅員さんもホームにはおらず、ぶつかった電車は緊急停車したものの所定の位置でとまったわけではないので、中にいる駅員さんも出てこれず、少しの間は周りの人と私とおじさんだけでした。5〜6人いる周りの人は誰も「大丈夫ですか?」の一言もなく、救急車の手配するのに携帯を出すでもなく知らん顔。私は本当に、心底あきれました。

なぜ、倒れている人がいて、「大丈夫ですか?」の一言もかけてあげられないのか? 理解ができません。私はそのおじさんがもしかして、打ちどころが悪いかもしれないので、
「今、救急車呼びましたよー」
「お名前は?」
「痛くないですか?」
「どこを打ちましたー?」など聞きました。

意識が酔っているからか、ぶつかったからか、混濁したようで、「オッケーオッケー」と言ってみたり、私の手を握ってみたりしていたので、いつもなら蹴飛ばすところですが、ニッコリ励ましてみました。

何分かして、駅員さんや警察や救急車が到着し、おじさんは担架に乗せられ連れて行かれました。目撃者がたくさんいたはずなのに、さっさと電車に乗って駅員さんにも何も言わず去っていきました。私は心配なのと仕方ないのとで、終電が間に合うまでそこにいて色々説明をしました。

その最中に、なんとシャメを撮っている人もいたんです。「飛び込み〜?」とか言いながら…。あまりのモラルのなさに怒り心頭。あとからあとから頭にきました。そのときは、おじさんが心配すぎたので、そこまで頭が回らず声をかけることに必死でしたが…。

その夜、眠るまでに時間がかかりました。色々と考えることが多かったようです。都会の無関心を目の当たりにし、寂しい思いで一杯でした。せめて、「大丈夫?」の一言でもかけてほしかったです。

写真で掲載しているのは、そのときにいただいた「感謝のカード」です。警察の方、救急隊員の方はとても優しく、感じのよい人ばかりでした。そういう温かい心が、多くの人に浸透していけばいいなと強く感じました。


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(記者:Aila(アイラ))

■写真
写真撮影:Aila(アイラ)記者

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