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2007年11月06日(火) 10時49分

人口29万人の都市から映画館が消えたツカサネット新聞

山口県下関市から10月28日を最後に映画館が消えた。これまで同市には、下関スカラ座と下関東宝という2館が、シーモール下関という大規模商業施設内で営業していた。最後の上映の様子が地元テレビ局のローカルニュースで放送されたが、観客は7人。あまりに寂しい最後だ。

かつて同市では数多くの映画館が営業していた。映画がレジャーの王様で、お盆や正月だけでなく、一年中が映画祭りという状況だったという。根強い映画ファンは、映画は映画館のスクリーンで見てこそ映画だと言うが、最近では、その主流はDVDのレンタルに代わりつつある。

少し明るい話としては、俳優の奥田瑛二さんが、同市で撮影した奥田さんの最新作、「風の外側」など4作品を11月10日から2ヵ月間、閉館された映画館を開館し、その支配人として上映する。状況によっては、その後も運営される可能性もあるという。

山口県の人口は149万人。人口29万人の下関は県内最大の都市だが、映画館が消えるのは寂しい限りだ。では、なぜ下関から映画館が消えるのか。答えは簡単だ。関門橋や関門トンネルを渡れば、10分もかからず北九州市に行くことができる。北九州市では、映画館も、そして上映される映画も最新作品、人気作品ばかりだ。

通勤状況やレジャーなど、下関市と北九州市は一体化されている。以前、下関、北九州の両市長が合併し関門市となることについて話し合いをしていたが、先の選挙で北九州市長が交代し、話は停止中のままだ。

それにしても、人口29万人の都市から映画館が消えるという現状は、異常な状態であることだけは確かだと言える。

(記者:ニュースマン)

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