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2007年11月06日(火) 17時02分

大阪市長選・候補者の横顔:/上 橋爪紳也候補/平松邦夫候補 /大阪毎日新聞

 18日投開票の大阪市長選は実質的に有力候補4人の争いとなっている。選挙戦で舌戦を繰り広げている候補者たちの素顔を、届け出順で2回にわたり紹介する。
 ◇現場から学ぶ姿勢を大切に−−橋爪紳也候補(46)
 建築史の研究者として、大阪が日本の経済、文化をけん引した昭和初期前後の時代を探ってきた。中心市街地を流れる川や歴史ある道、近代建築などを現代に生かす街づくりにも携わる。「人と人が出会うのは、どんな場所だろう」。活動の原点は、街に漂う人のぬくもりだ。
 大阪・ミナミ生まれ。「仕事に最善を尽くし、正直に生きる塗装職人の父の背中を見て育った」。歴史的建造物に興味を持ったのは大学時代。京都の銀閣寺(慈照寺)内にある書院建築の国宝「東求堂」を図面に起こすと、不思議な曲線が浮かび上がった。その日本的な空間デザインに魅了され、街の歴史に光を当てる現場に飛び込んだ。
 印象深い仕事は、2度の火災に見舞われた法善寺横丁の復興だ。再建の際、法規制で風情ある狭い路地を再現できない可能性があったが、住民と行政が知恵を絞って乗り越え、街並みを守ることができた。「現場を歩き、学ぶ姿勢を持ち続けたい」。その思いを胸に、次は大阪全体の街づくりの担い手を目指す。【久木田照子】
 ◇いったん決めたら迷いなく−−平松邦夫候補(59)
 毎日放送の夕方のニュース番組「MBSナウ」のキャスターを約19年。中学の朗読の時間、本を閉じると教室が静まり返り、先生から「うまい。将来、その道に進んだらええ」とほめられた。人前でしゃべるのが苦手だった恥ずかしがり屋が、「その気になった」とテレビの顔を目指した。
 新人アナ時代、すべてを言葉で伝えるラジオ競馬を担当し、話術に自信をつけた。MBSナウでは「公害問題などが印象深い」と話す。「身近なニュースを分かりやすく、弱い者の目線で」をモットーに、原稿をチェックして突き返すことも度々あったという。
 生まれ育ちは兵庫県尼崎市。95年にニューヨークに赴任し、その後は会社幹部に。最近は大好きなパチンコも人目を気にせず楽しめ、退職後は大学教員のポストも約束されていた。それが、民主党幹部に口説かれ、迷った末の出馬。「昔からいろいろと考えるけど、いったん決めたら突き進む性格。パチンコは当分お預けやけどね」。とびきりの笑顔を見せた。【大場弘行】

11月6日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071106-00000232-mailo-l27