記事登録
2007年11月06日(火) 12時00分

大槌町発注工事談合:さらに2件確認、新たに12社指名停止 町内全業者処分 /岩手毎日新聞

 大槌町発注の浪板地区下水道管埋設工事に絡む入札談合事件で、同町は5日、同工事以外に2件の工事入札でも談合が確認されたとして、計3件に関与した計12社を指名停止5カ月の処分にしたと発表した。同事件では幹部が逮捕、起訴された1社が既に指名停止9カ月の処分を受けているが、これで町内の土木業者全13社が指名停止となり、町内業者に土木工事を発注できない異常事態となった。
 加藤宏暉町長らが会見して明らかにした。それによると、新たに判明した談合は吉里吉里地区下水道管埋設工事(予定価格税込み551万2500円に対し落札価格546万円、8社参加)と町道新山1号線拡幅工事(同236万2500円に対し234万1500円、10社参加)。いずれも今回の浪板地区下水道管埋設工事の6社による入札談合があった同じ昨年11月13日、幹部2人が逮捕、起訴された町内の松村建設事務所で行われた。
 釜石署からほかの2件でも談合の疑いで書類送検したとの情報を入手し10月30、1日、業者を呼んで事情聴取した結果、12社は事実を認めた。B級からD級までで、指名停止は来年4月4日まで。町はこれら業者が起訴された場合、指名停止期間をさらに延長することもありうるとの考えを示した。
 町は年度内にあと24件の土木工事の発注を予定している。町内全業者が指名停止となったため町外業者へ発注することになるという。加藤町長は「誠に遺憾だ。談合防止の対策を早急に検討したい」と強調した。
 今回の事件では業者の任意団体「町災害対策検討委員会」が談合の組織になっていたことが既に分かっているが、12社はこれを認めた。落札希望業者を募り、名乗り出た業者が落札価格を入札参加業者に教える方法で談合を行っていた。聴取に対し、全社は「以前から談合をしていた」と認めたという。
 町は5日午後5時半から12社を役場に呼び、指名停止通知書を手渡した。加藤町長は「町始まって以来の不祥事」と反省を強く迫った。検討委の代表業者は陳謝し、委員会を解散する意向を表明した。6日にも解散書を町に提出する。【鬼山親芳】

11月6日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071106-00000038-mailo-l03