記事登録
2007年11月06日(火) 17時08分

エフ社前社長 高級マンションに流用 出資金から? 手付け6300万円西日本新聞

 資産運用コンサルティング会社「エフ・エー・シー」の巨額詐欺事件で、前社長の黒木博文容疑者(42)=詐欺容疑で逮捕=が同社名義で、福岡市中央区の高級マンション(24階建て)の最上階2室を約2億8000万円で購入しようとしていたことが6日、分かった。福岡県警の強制捜査で購入を断念したが、手付金などの名目で約6300万円が支払われており、出資者から集めた資金が流用されたとみられる。

 関係者によると、黒木容疑者は昨年1−2月、エフ社名義で隣接する2室の売買契約を結んだ。それぞれ広さは145平方メートルで3LDK。販売価格は計約2億8000万円で、手付金として5520万円を現金で支払ったという。さらに黒木容疑者は、2室の間の壁を取り除くよう注文。改修費1700万円のうち、750万円も手付金とともに支払った。黒木容疑者の自宅として使用する予定だったという。

 しかし、県警が同年6月、出資法違反容疑でエフ社を捜索したため、販売会社が問い合わせると、黒木容疑者は「誰も捕まっていない。報道はウソ。支払いは待ってほしい」と説明。物件引き渡し予定の7月中旬になっても残金が支払われなかったため、販売会社は10月に解約し、手付金を受領したという。

 福岡県警などの合同捜査本部は、黒木容疑者が、エフ社が集めた出資金135億円を私的流用した疑いがあるとみて調べている。


=2007/11/06付 西日本新聞夕刊=

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071106-00000021-nnp-l40