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2007年11月05日(月) 22時54分

東洋ゴム、断熱パネルで偽装 物質混入し試験をパス朝日新聞

 東洋ゴム工業(大阪市)が、建築用断熱パネルの性能試験で、実際の製品には使わない燃えにくくなる物質を材料に混入して、不正に国土交通相の認定を取得していたことが5日、わかった。対象製品は少なくとも全国176の工場や店舗、公立学校、住宅などに使われ、大半は認定基準の3分の1程度しか不燃・耐火性能がないという。同社は、当該商品などの生産中止を決め、同事業の全面撤退も検討。使用物件の特定と改修を進める。会見で片岡善雄社長は引責辞任の可能性を示唆した。

 偽装は建物の壁などに使う断熱パネル2製品の性能試験であった。92年10月〜04年5月に6件の認定を取得。そのすべてで不正があり、5日報告を受けた国交省が認定を取り消した。

 断熱パネルは周辺の火災からの延焼を防ぐために外壁などに使うもので、厚さ5センチ前後のウレタン材を薄い金属板で挟む構造。ウレタン材に含まれる不燃材料を増量した上、水酸化アルミニウムの粉末を混入して認定試験に通った。一定時間加熱した際に発する熱量が、認定基準の約3倍あった。

 判明した使用先の内訳は、店舗92件、工場48件、倉庫29件などで、富山県高岡市の福岡中学校の調理室、宮城県利府町の利府高校の部室でも使われている。

 偽装の事実は担当3部長が把握し、上層部に伝えないまま代々引き継いでいたという。

http://www.asahi.com/national/update/1105/TKY200711050297.html