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2007年11月05日(月) 22時03分

東洋ゴム偽装、歴代担当部長らが15年間申し送り朝日新聞

 東洋ゴム工業の歴代担当部長らは15年前から性能試験の偽装を把握し、代々申し送りしていた。会見した片岡善雄社長らは「(担当部門が)ずっとやってきて認識が欠落していた」と謝罪した。

 片岡社長らによると、防火試験の不正は、同社が建築用断熱ボードに新規参入した92年に始まり、建材部門の技術、販売、生産の歴代3部長に申し送りされていた。姉歯秀次・元1級建築士による耐震強度の偽装が社会問題化したことを受け、昨年3月、建材部門は独自に販売製品の実験を行ったところ、基準の三倍の発熱性を確認した。しかし、実験結果は、不正を引き継いでいた部長らに報告されただけで上層部には伏せられ、部門内で偽装の再確認をするにとどまった。同社は「(部門内だけで)意思決定していた」という。

 同社では、05年に倫理意識を高めることを目的に行動憲章を定めたり、内部通報制度を設けたりしたが、機能していなかった。

http://www.asahi.com/national/update/1105/TKY200711050304.html