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2007年11月05日(月) 10時00分

早すぎる“林家三平”襲名に沸きあがる疑問の声日刊ゲンダイ

 本当に大丈夫なのか——。2代目林家三平を襲名することになった落語家の林家いっ平(36)にこんな声が上がっている。
 09年春に父親の高座名を継ぎ、同年3月から襲名披露興行をスタートするという。いっ平は「サービス精神、芸に対する熱心さを受け継ぎ、2代目としてやっていきたい」と気合を入れている。
 しかし、初代三平は「昭和の爆笑王」といわれ、現在のテレビを中心としたお笑いを一般の人々にまで広めた先駆者といえる存在だ。それだけに、「いっ平にはまだ荷が重い」という声もある。放送評論家の松尾羊一氏はこう言う。
「兄が祖父である正蔵の名前を継ぎ、いっ平が父である三平の名前を継ぐというのは流れなんでしょうが、そう簡単なものじゃありませんよ。三平は伝統的な古典落語と新作落語の間で苦しみながら、自分の芸を確立しました。ラジオからテレビへの転換期にあったメディアを意識しながら、いかにして持ち味を発揮して人を引きつけていくかという手法を初めて作り上げた落語家です。そんな強烈な存在感を誇っていた三平の名跡を継いだ上で、自分なりの芸を生み出していく覚悟と器がいまのいっ平にあるのかどうか……」
 05年に兄の“こぶ平”が“正蔵”の大名跡を継いだときは襲名披露パーティーに850人が集まり、100万円単位の祝儀を包んだ後援者もいた。全国60カ所で行われた襲名披露興行でも億単位の収入があったといわれている。
 今年4月に正蔵が05年までの3年間で1億2000万円もの申告漏れを指摘され、4000万円の追徴課税を支払ったことは記憶に新しい。
 いっ平の三平襲名でも莫大なカネが動くのは間違いないだろう。周囲から“金儲けのための襲名”といわれないためには、いっ平が必死に努力するしかない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071105-00000002-gen-ent