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2007年11月05日(月) 10時00分

「世界遺産」(TBS)数々のテレビ賞を受賞した“民放の良心”日刊ゲンダイ

 現在、ユネスコに登録されている世界遺産の数は851。それをハイビジョン映像で紹介していく「世界遺産」(TBS、日曜夜23時30分)は、非常に質のよい番組として高い評価を得ている。
 番組のスタートは96年4月14日。ペルーのマチュピチュ遺跡から始まった。以来11年にわたって番組制作のスタイルは一貫している。派手なBGM、うるさいタレントの登場、醜い過剰なテロップを排除。ひたすら撮影した映像を最小限のナレーションで紹介する。
 しかも、ナレーターを緒形直人、寺尾聰、オダギリジョー、中村勘太郎といった俳優が務めているのが特徴だ。いずれも衒(てら)いのないナレーションで、それが番組にいい効果を与えている。
 実際、この「世界遺産」ほどさまざまな賞を受賞している番組は珍しい。放送批評懇談会の「ギャラクシー賞」や全日本テレビ番組製作社連盟の「ATP賞」、日本映画テレビ技術協会の「日本テレビ技術賞」、BSデジタル放送推進協会の「BSデジタル大賞」、さらに「橋田賞」など映像関係の主だった賞はほぼ制覇している。他にも旅行関係の団体や外国からも賞を贈られており、その内容が広く認められている。
 この4日の放送は2週連続で「世界遺産が語る地球46億年」という特集の1回目となる。取り上げるのは火山。翌週は氷河だ。2年ほど前から世界遺産をいくつかのテーマに沿って特集してきたが、今回、初めて自然遺産に絞った。ナレーションは菅野美穂が担当する。
「絶景をただ見せるという方法よりも、一本筋を通したテーマ性のある番組を作りたいと模索した結果、世界遺産を通じて地球46億年の歴史を振り返ってみることはできないかと考えた」と高城ディレクターは語っている。圧倒的な映像は見応え十分だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071105-00000007-gen-ent