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2007年11月05日(月) 10時40分

猫の糖尿病(3)「猫もカスガイ」ツカサネット新聞

糖尿病猫の治療ができるのは、猫好きの夫との二人三脚のおかげだと思っています。もともと猫は嫌いで、どちらかといえば犬派だった私。「仔猫をもらってくれない? 2週間の体験飼育をしてみて、もしNGなら引き取るから」。
2000年の9月、親友とのそんな約束で、我が家にやってきた、しまごろうとミーコ。

生まれて2か月の仔猫でしたが、トイレのしつけもきちんとできていて、次第に我が家に慣れて走り回る彼らを目の前にして、「返す」とは言えませんでした。といいますか、襖や障子をやぶられようが、畳や壁に爪をたてられようが、すべてのいたずら行動・仕草が、もうかわいくて、かわいくて、めろめろになってしまったのです。当時、我が家にはまだデジカメがなく、しまごろうとミーコのかわいい盛りの写真がほとんど残っていないのが、現在、とても残念です。そのしまごろうとミーコ。外は、事故や病気が怖いということで、家猫として飼い始めました。

夫は、子どものころから猫には親しんでいたようで、メス猫はすべて「ミーコ」と名づけます。しまごろうは夫の直感で、その名前に決められました。縞模様ですからね。「ごろう」は、そのときの気分だったようです。そして、「子はカスガイ」とはよくいったもので、我が家においては、「猫はカスガイ」となっています。ヒトの子どものいない我が家。

また、お互いに仕事を持つ身の私たち。彼らを飼い始めた2000年ごろ、結婚してちょうど10年で、自分は自分。愛だの恋だのという時代はとうに過ぎ、お互いに干渉しないで、自由気まま&淡々と暮らす毎日でした。そんな中にやってきたしまごろうとミーコだったのです。彼らのかわいさがいかにすごいかを表現するのをお互いに競い、かつ、その表現を認め合うには、またお互いしかありませんでした。そして、2006年11月4日、しまごろうは糖尿病と診断されます。それからの私たちの生活は、まさに一変しました。

しまごろうの朝晩のインスリンの注射のため、一泊の旅行はおろか、共通の趣味であるゴルフに一緒に出かけることも一切なくなりました。また、お互いの出張、夜の外食の予定が入ったら、必ず事前に連絡し合うようになりました。どちらかが家にいて、しまごろうの朝晩の注射の面倒をみなければならないからです。

約3か月先まで、お互いの予定を把握できるようになりました。なったからといって、どうよ? ではあるのですが。

ただ、病気の子を持ってわかるといいますか、病気の猫を持って、今まで自分たちがどんなに自由に気ままに暮らしてきたか。そして、自分以外の他者への責任ということに対して、どれだけ背を向けて生きてきたか。そんなことが、少しわかった気がしています。



猫の糖尿病(1)「うちの子にかぎって」
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(記者:しまミーコ)

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