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2007年11月04日(日) 10時00分

年金5000万件の名寄せは絶対無理日刊ゲンダイ

 総務省の年金記録問題検証委員会が31日、最終報告書をまとめたが、どうやら、来年3月までに宙に浮いた年金5000万件を名寄せするのは絶望的だ。
 検証委が5000万件から7840件をサンプリングして調べたところ、不正確な入力や結婚による名字の変更などで38.5%が「該当者の特定困難」と出たのである。
 しかも、氏名、生年月日、性別のうちひとつ以上欠けているのが約1割あった。舛添厚労相は「これで名寄せ作業が大変になるという印象ではない」と強がったが、「9割以上進めば失敗という評価にならない」とも言い出し、もう“予防線”を張っているのだ。民主党で、この問題を追及している蓮方参院議員はこう言う。
「このうち、台帳がなくなっているのも相当数あるでしょう。いくらコンピューターソフトを開発しても、名寄せ照合が間に合うとは思えません。しかも、調査委の報告ではサンプルを住民台帳との照合の結果、33.6%が一致した。5000万件の3分の1は生存しているのに、年金をもらえていない可能性があるわけです。社保庁は当初、5000万件のほとんどが死亡者や年金保険脱退者と説明してきましたが、とんでもなかった。この方たちへの未払いの年金総額はどれくらいに上るのか。調査委は算出すべきだし、政府も協力すべきです。それを隠蔽しているのは、数字を明かすとパニックになるからとしか思えません」
 5000万件の3分の1は約1700万件。未払いは何兆円規模になる。舛添は自身の給与の2割カット2カ月なんて、ふざけた処分でお茶を濁そうとしているが、冗談じゃない。政府はどう落とし前をつけるのか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071104-00000012-gen-ent