記事登録
2007年11月04日(日) 10時29分

消費税率は2ケタへツカサネット新聞

いま、新聞などで流れている情報は、どれも不愉快なものばかりである。
老舗の食品偽装、防衛省事務次官のゴルフ接待、年金問題などなど。挙げればきりがない。
そう感じるのも格差のせいかも知れないが、なかでも消費税率引き上げ議論が活発化してきていることに、大きな先行き不安を感じている。

とにかく選挙が終わったことで、この消費税率引き上げ議論が始まった。現在の5%の負担でも大変なのに、いったいどこまで引き上げられるのか。与謝野馨税制調査会小委員長、2〜3%程度を念頭にと政治家からは次の選挙を意識してか控えめな数字になっている。財界からは、7〜8%に引き上げという案が出されている。
こうした数字がでてくるのは、2009年に基礎年金部分の国庫負担を3分の1から2分の1にすることが決められているからである。年金の安定を名目に今度の消費税率の引き上げは行われることになるのだろう。だが、これで引き上げが終わったわけではない。
2011年度には、政府が目指している基礎的財政収支、プライマリーバランスの黒字化の期限がやってくる。この黒字化で足りない分は増税でまかなうしかない。足りない分は消費税分にして3%程度だといわれている。
となれば、年金と黒字化をあわせると、2ケタに乗るのは確実となる。

小泉時代には封印されてきたこの消費税議論だが、2003年の元旦に帰省のため新幹線移動の最中に掲示板に映し出された日本経団連が発表した、「2004年から毎年1%ずつ引き上げて2025年には16%にすべし」という「奥田ビジョン」は未だに忘れられない。年明け早々にこんな暗い話から今年は始まるのかと思ったからである。今から思えば、その頃はまだよかった。
それがいよいよ現実化しようとしている。消費税率引き上げを積極的に提言してきたのは、財界である。国、役人はいうに及ばず、財界が最もこの引き上げを望んでいるのではないだろうか。
それは法人税率の引き下げを要求しているからだ。
いまのところは、選挙を意識してか、法人税率引き下げは見送られることになったが、消費税のほうはそうはいかない。
この議論が始まって、便乗派がどんどん出てきている。
総務省は地方の取り分を現在の1%から2%にしろとか、少子化対策では費用が足りないとか、育児支援するには1%分の財源がいるとか。国民のためと言って、増税のオンパレードである。

これで年金が安定するとか、子供が増えるとは思えない。
消費税で苦しめられて生活が破綻するほうが先である。国民の年金の場合は払えない人がさらに増えるのではないか。ますます100円ショップやディスカウントに頼る生活になっていく。

いまの庶民の生活を壊しているのは、不況やリストラだけではなく、国であることがこれではっきりしてきたような気がする。



(記者:小笠原 俊)

■関連記事
小笠原 俊記者の書いた他の記事
「政治・政治全般」カテゴリー関連記事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071104-00000005-tsuka-pol