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2007年11月03日(土) 17時23分

三宝製菓 「比内地鶏」うたい通常の鶏卵で菓子製造 栃木毎日新聞

 比内地鶏の卵使用をうたった栃木県鹿沼市の菓子製造会社「三宝製菓」(田谷日出男社長)の菓子4品が、比内地鶏以外の卵で製造されていたことが3日わかった。菓子を扱う秋田市の卸売会社「秋田県産」(大島紳司社長)は10月下旬から製品を自主回収し、秋田県にも報告している。三宝製菓は比内地鶏仕入れを示す証明書を偽造して秋田県産に送っていたという。比内地鶏をめぐっては、秋田県大館市の食肉加工会社「比内鶏」(藤原誠一社長)が鶏肉のくん製など15品目を比内地鶏と偽装していたことが10月、県の調査で発覚。同社は同市に事業廃止届を提出している。
 秋田県産によると、偽装が発覚したのは「比内地鶏卵ケーキ」「比内地鶏卵タルト」「比内地鶏の卵チョコインクッキー」「秋田土産品クッキー」の4品。秋田県内の道の駅や土産品店など約30店で販売されていた。田谷社長が1日、秋田県産を訪れ、事実を認め謝罪したという。
 「秋田土産品クッキー」を除く3品は02〜03年にかけて、秋田県産の仲介で秋田県大館市の鶏卵加工業者が三宝製菓に比内地鶏の卵を供給する形で製造・販売が始まったが、田谷社長は秋田県産に対し「比内地鶏の卵の注文や在庫管理が十分に出来ず、3、4年前から通常の鶏卵を使うようになった」と説明したという。「秋田土産品クッキー」は06年3月から、三宝製菓が独自に比内地鶏の卵を仕入れると秋田県産に説明して製造していたが、実際は鶏卵を使っていた。
 このほか三宝製菓が約5年前から製造している「酒の国秋田・地酒ケーキ」が、大吟醸酒を使っていないのに外箱に「大吟醸」と表示していたことも判明した。
 秋田県産は、「比内鶏」社の偽装発覚後、商品の原材料などを取引先に問い合わせていた。大館市の比内地鶏業者から卵を納入していたとの証明書が三宝製菓から届いたのを受け、比内地鶏業者に確認したところ「ここ3年は出荷していない」と回答があり、三宝製菓に直接問い合わせ、証明書偽造が判明した。【岡田悟】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071103-00000015-maip-soci