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2007年11月03日(土) 10時00分

国会喚問も不発 守屋捜査難航で囁かれる小池百合子日刊ゲンダイ

 防衛汚職をめぐる検察捜査が難航している。証人喚問で山田洋行元専務からの接待漬けが明らかになった守屋前次官について、世論は「早く逮捕しろ」だが、それさえ難しいのだ。現場からは「あのオンナ大臣が捜査を壊した」という声も出ている。
 捜査事情通が言う。
「日本ミライズの宮崎元伸社長(山田洋行元専務)については事情聴取も進み、業務上横領でいつでも逮捕できる。でも、この事件を民間人1人で終わらせたら、笑いものになる。東京地検特捜部の狙いは防衛次官だった守屋であり、その背後にいる政治家です。しかし、守屋をやるだけの汚職容疑が固まらない。過剰接待で得た利益は積み上げれば1000万円を超えますが、便宜供与が弱いのです」
 当初、検察が描いたシナリオは、宮崎から接待漬けにされた守屋が、見返りにCX(次期輸送機)エンジンの発注を日本ミライズに決定した——という贈収賄の構図だった。実は今年9月10日に開かれる予定だった防衛省の「指名随契審査会」で日本ミライズに決まり、10月12日に契約の段取りだった。
「守屋次官の後押しで、総額1000億円とされるエンジン商談が契約になれば、きれいな贈収賄の絵が描けたのです。ところが、8月に守屋の更迭が決まり、9月10日の審査会も、日本ミライズの契約もパーになってしまった。見返りの実体が何もなくなったことが捜査を至難にさせてしまったのです」(司法ジャーナリスト)
 8月に小池百合子防衛相が守屋とバトルをやらず、あと1カ月ジッとしていたら、この防衛汚職事件は「現職防衛次官を逮捕」という形で展開していたという。「前任者の久間や官邸の指図とはいえ、小池大臣は余計なことをしてくれたものだ」という声が捜査現場から上がるのも仕方ない。
 やり直しの検察は、捜査の間口を広げ、防衛省の守屋系列の幹部を洗い直している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071103-00000011-gen-ent