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2007年11月03日(土) 08時35分

今、国防を再考する時ではないのかツカサネット新聞

防衛省の乱脈ぶりには唖然とさせられる。又これほどの乱脈が放置されてきたのに、強く疑問を抱く。

先般、証人喚問された守屋前防衛次官が語った防衛専門商社「山田洋行」の宮崎元専務(現日本ミライズ社長)との癒着ぶりは想像を超えるものだ。なぜ長期間にわたるこれほどの癒着ぶりが、防衛省内部からも外からも指摘されずに続いてきたのだろうか? ならば、他にもあるのではないか? と疑いたくなる。そして、何故我々国民はこのようなことを見過ごしてきたのだろう…。

又、インド洋での給油が80万ガロンを20万ガロンに間違えた理由として、単に“EXCEL”への入力ミスと言うが、そんなことがあり得るのだろうか? この数字は、当時国会で問題になっていた数字である。それを入力ミスするなんてあり得ないのではないか。100歩譲って単純ミスだとしたところで、ではそのチェック体制はどうなっているのか? これほど重要なことが…意識的にやらない限り、一般企業では考えられないことだ。

更に、海上自衛隊艦船の航海日誌の一部が、文書保存期間内にもかかわらず廃棄されたり、紛失している日誌もあると言う。防衛省の内部管理体制はどうなっているのだろうか。不思議でならない! これは隠蔽ではないか? 裏に何かがあるのではないか? と疑われても仕方がないだろう。

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<思い起こせば、自衛隊は過去長い間日の当たらない存在だったように思う。>

自衛隊の歴史は、1950年GHQの指令に基づくポツダム政令により警察予備隊が総理府の1機関として組織されたのに始まり、途中保安隊に改組され、1954年自衛隊が成立した。

自衛隊の任務は「わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たる」(自衛隊法第3条第1項)となっている。

過去、自衛隊の存在意義やそのあり方について長期にわたって問われ続けてきた。憲法九条との絡み、また日本の防衛はアメリカの傘の下にあると言ったことから、自衛隊の存在は模糊としたものであった。昨今、北朝鮮のテポドンや核実験などに触発され、日本も「自国の防衛」ということに国民の関心が強くなり、自衛隊の存在が強く意識されるようになってきた。

このようなわけで、自衛隊は長い間、言わば日の当たらない状態に置かれてきた組織である。このような存在だったことがずさんな防衛省を生んだのではないか。やりたい放題とまでは言わないが、今般明るみに出たような問題が、他にも縷々包み隠されているのではないかと心配になる。今の自衛隊には、我々が考える管理体制以前の問題が存在するのではないか? 早急に改革に手をつけなければならない。

防衛省だけを非難することなく、このような状態を長い間手つかずのまま放置してきた国や国民も、あらためて「国防」という大問題と共に防衛省問題を考えなければならない。


(記者:浅香拓郎)

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