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2007年11月02日(金) 00時00分

けんか読売新聞

 日本でも、私の故郷ニュージーランドでも、世界中どこでも人々の間に起きるケンカという現象について、和英両方の言い回しを考えてみましょう。ハリウッドの人気俳優ブラッド・ピットと妻のアンジェリーナ・ジョリーが8月に大げんかを演じ、妻が夫にワイングラスを投げつけた、との報道が流れました。幸せいっぱいの結婚生活が一転して危機に——のうわさにファンは気をもみましたが、ピット自身が「すべて、たわごとだ」と危機説を全面否定し、騒ぎに幕を引きました。

 さて、「大げんかをする」の英訳としては、 have a big argument か have a blazing row が一般的。二人が激しく口論し、ののしり合うことです。 Have a fight や get in a fight も使われますが、この場合、口ばかりでなく、手が出た可能性も含む、ちょっと物騒な意味なので注意して下さい。10代という多感な時期は、とかく周囲の人々と衝突しがちです。親が子どもに反抗され、次のように嘆くことも珍しくありません。

 I found out my son had been skipping school.When I confronted him about it,we ended up having a huge argument.We haven't spoken at all today.

 (息子が学校をさぼっていたことが分かった。理由をただしたら、火花を散らすけんかになった。きょうは全然、言葉を交わしていない)

 男の子同士のけんかは殴り合い(punch‐up)になることもしばしば。

 My kids fight like cats and dogs.As soon as my back is turned,they get ready for a scrap.

 (私の子どもたちはひっきりなしにけんかする。目を離すと、すぐけんか腰になる)

 一方、ラブラブなカップルがささいな理由で言い争う「痴話げんか」は、 lovers' tiff または spat がぴったり。

 I had a tiff with my boyfriend at the supermarket yesterday.The other customers were watching,it was so embarrassing.(昨日スーパーで彼氏とけんかになった。ほかのお客さんに見られ、とても恥ずかしかった)言うまでもないけれど、こんな恋人たちのけんかは放っておけばよいのです。(キャメロン・マックロクラン記者)

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http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/learning/english/20071102us01.htm