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2007年11月02日(金) 10時00分

福田・小沢会談決裂日刊ゲンダイ

 福田首相は30日午前、民主党の小沢代表と初の党首会談を行った。首相は新テロ特措法への協力を要請したが、小沢は「協力できることは協力するが、新法は認められない」「きちんとし原則にのっとらないとダメだ」と語り、2時間を予定していた会談は1時間15分で物別れに終わった。

●週末に再会談
 福田は週末をメドに再度会談したいと申し入れ、小沢は「可能な限り応じる」と答えた。会談を終えた両者は無言で部屋を立ち去った。
 それにしても、福田が完全に追い詰められていることを象徴するような会談だった。
 会談は福田サイドが29日の午後、唐突に申し入れた。自民党の大島国対委員長が民主党の山岡国対委員長に呼びかけた。山岡国対委員長は「夜襲のようだ」と驚いていた。
 こうなった背景には、新テロ特措法の今国会成立が絶望的になったことが挙げられる。
 小沢・民主党は「憲法違反」の姿勢を崩していないし、審議入りの前提だった守屋疑惑の解明は、29日の証人喚問で沈静化どころか、ますます、疑惑の炎が燃え上がっている。
 民主党は山田洋行元専務の宮崎元伸氏や伊藤康成元防衛次官ら10人の証人喚問、首相出席の集中審議を求めており、国会は完全に暗礁に乗り上げた。

●「連立か」「解散か」与党内に疑心暗鬼
 そんな中、インド洋の給油活動は11月1日、期限切れとなる。節目を迎えて、八方ふさがりの福田が焦って動いた。それが党首会談になったのである。
 なにやら、安倍の末期を連想させるが、自民党内もザワついている。会談に先立ち、伊吹幹事長は福田に「党首会談では新テロ特措法に限定して話をして欲しい」と要請。福田は「分かった」と応じた。
 ふつうに協力を求めても小沢が応じるわけがない。そこで「話し合い解散になるのではないか」「大連立の密談か」とさまざまな疑心暗鬼が渦巻いた。伊吹は首相にクギを刺したのである。
 注目の会談は午前10時、福田首相、小沢代表、両党幹事長、両党国対委員長の6人で始まり、その後、福田、小沢のサシの会談になった。
 会談は11時18分ごろ終わり、福田は「きょうのところはまとまらなかった。きょう話したことを引き続きやっていこうとなった」と語ったが、ほとんどがサシの会談だっただけに、与党内では警戒感が続いている。新テロ特措法の行方はもちろん、会期延長の幅のメドも立っていない国会。なす術なしの福田は何をしでかすかわからない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071102-00000010-gen-ent