記事登録
2007年11月01日(木) 11時34分

「教えて症候群」とそこに群がる人たちツカサネット新聞

一時期、「教えて症候群」がウェブ界を占拠していた時期があった。「知らないことは恥ずかしいことじゃない」を通り越して、「何かについて知らないから教えてください」と匿名性があるのを理由に堂々と頼め、また依頼しておきながら断るというパターンである。

こういう人たちを甘やかすかのように世の中には「答教える症候群」というタイプの人間もいるらしい。「どうすればいいですか、教えて」と相手は「どうでもいい第三者」をよそおっているのに対し、「これはどうしても自分の得意分野だ、自分が答えなくては」としゃしゃり出て、聞かれもしないところまで答える人たちのことである。それが「集団を教える職業」を生業にしている人だと厄介だ。

たった一人が「わかりません」と言ったために講義やレッスンを止めてしまいかねない。こんな「教えて症候群」と「答教える症候群」はセットで周りの才能を潰すだけである。最も…元凶は何でも「教えて」とやってきて、それが悪気ないと思っている前者なのだろうが。

こうした現象が起こったのもインターネットの普及からではないか。誰かに質問する感覚が「どうでもいい第三者への質問」になっているインターネット世代の人間は、実際の場所で質問することで、周りがどのような影響を及ぼすのかわかっていない。それは自分に余裕のない「答教えて症候群」にも同じことが言えるだろう、この二つに共通して言えるのは「思考停止型」で「指示人間」に多い。古くはIT関係に見られたが今では、職種関係なく蔓延し、体を動かすクリエイティブ系にまでこういう思考は蔓延している事態だ。

余裕のない明日が保障されない生活、余計な事を考える暇がない人間がいきつくのが「教えて症候群」というのは哀しい。


(記者:Ryoko_O)

■関連記事
Ryoko_O記者の書いた他の記事
「生活・心と体」カテゴリー関連記事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071101-00000002-tsuka-inet