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2007年10月23日(火) 20時43分

「いつまでもデブと思うなよ」 大ベストセラーの理由J-CASTニュース

 「いつもでもデブと思うなよ」——こんなストレートなタイトルがつけられたダイエット本が飛ぶように売れている。キャベツダイエット、ビリーズブートキャンプといったダイエット方法も、悩めるデブ男にとって、キャベツの千切りを毎日食べるのは苦痛だし、ビリーのように激しい運動もつらい。そこで「メモを取る」という簡単な減量方法がうけたというわけだ。

■毎週のように増刷しなくてはいけない状況

 新書「いつまでもデブと思うなよ」(新潮社)が発行されたのは2007年8月20日。初版は1万4,000部だったが、10月下旬には発行部数が合計34万部にまで伸びている。新書としては異例の売れ行きだ。

 紀伊國屋の週刊新書ベストセラー(2007年10月15日〜21日)では、板東真理子の「女性の品格」(PHP研究所)に次いで2位。トーハンの週間ベストセラーでも、10月16日で4位に入っているほか、6週連続で20位以内にランクインしている。

 新潮社編集部はJ-CASTニュースに対し「思っていた以上の売れ行き。毎週のように増刷しなくてはいけない状況だ」と述べている。

 「いつまでもデブと思うなよ」は評論家で大阪芸術大学客員教授の岡田斗司夫さんが、身長171センチ・体重117キロから67キロへと1年間で劇的に痩せた体験を綴ったもの。

 冒頭から、「見た目主義」の現代で、いかにデブが損なのかを力説。「何をしても『デブ』という強烈なキャラに打ち消されてしまうのだ」とまでデブをこき下ろして、デブ男のプライドを打ち砕く内容。ここでデブ男は自分を見つめなおし、ダイエットの必要性を認識するというわけだ。

 そこで紹介されるのが「レコーディング・ダイエット」。メモ帳にその日食べたものを記録し、意識化していくことで、自分の食生活を見直すことでやせていく、という内容だ。

 確かに、キャベツを食べまくったり、ビリー隊長の激しい運動に付いて行くダイエット法に比べれば、新しいタイプのダイエット方法。そもそも悩める中年太りの男性にとって魅力的なダイエット法というのは、それほど紹介されたことは少ない。それが、この本のブームのきっかけでもあった。

  「まず1つは、大人の男性向けダイエットの本は需要の割りに少なかった。もう1つは、実用書として、ドキュメンタリーのようにも、もちろんダイエット本としても読める。多面的な魅力を持った本ということでしょうか」(新潮社編集担当者)

■掲示板やSNSで何キロやせた、と報告

 ネット上でも「レコーディング・ダイエット」は大きな話題を呼んでいる。掲示板やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のコミュニティで、その日自分が摂取したカロリーを書き込む者や、何キロやせたという報告も書き込まれている。

 携帯のメールサービス団体「いいめもプロジェクト」は岡田さんの「レコーディング・ダイエット」を取り入れ、「食べたもの」と「カロリー」を書いたメールを送信してダイエットの記録が付けられる「いいめもダイエット」を10月2日に開始した。しかし、岡田さん本人に著作権侵害を理由にサービスを停止するよう求められ、10月17日にサービス・ストップの事態にまで発展した。

 そもそも、「レコーディング・ダイエット」は本当に続くのだろうか。このダイエット法を取り入れたある人は、「記録が続かなくなってやめたが、今まででは一番続いた。でも、自分の食生活を見直すという点ではよかった」(37歳男性)と語っており、続かないながらもある程度の満足感は得られたようだった。

 キャベツダイエットもビリーズ・ブートキャンプも続かなかった忍耐力のないデブ男でも、メモぐらいは取れる、そして自分がデブであることと食生活を見直せる、そんなアイデアが受けているようだ。


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