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2007年10月13日(土) 09時32分

パスワード不正取得闇読売新聞

闇サイトで販売容疑の会社員逮捕

 ネットオークションで使われるパスワードを大量に不正取得し、IDとセットで販売したとして、茨城、福岡など4県警合同捜査本部は、福岡県久留米市野中町、情報通信関連会社員友清博美容疑者(38)を不正アクセス禁止法違反容疑で逮捕し、12日、水戸地検下妻支部に送検した。不正取得したパスワードなどは「闇サイト」を通じて売りさばかれ、ネットオークション詐欺に悪用されていた。

 調べでは、友清容疑者は今年4月、静岡県伊東市の旅館従業員男性(54)のIDとパスワードを不正取得し、販売した疑い。ネットオークションサイトの画面に表示されているIDを基に、友清容疑者はオークションの会員に電子メールを送り、本物そっくりの偽サイトに誘い込む手口で、4000に上る他人のパスワードを手に入れていた。IDとパスワードはセットで闇サイトを通じて一つ2万5000円から3万5000円で延べ150回にわたって売りさばかれ、口座には約1000万円が振り込まれていた。

 合同捜査本部はまた、友清容疑者の知人で、福岡市中央区春吉、指定暴力団山口組系組長、神武義幸容疑者(36)を詐欺教唆容疑で逮捕し、12日、福岡地検に送検した。調べでは、神武容疑者は昨年10月ごろ、「口座を10万で買うやつがおる」などと言って、配下の組員(22)に対し、他人に通帳を譲り渡す目的で口座を作るよう、そそのかした疑い。調べに対し、友清容疑者に口座を譲渡したことを認めているという。合同捜査本部は暴力団が新たな資金源獲得のため、組織的にパスワードなどの不正取得を行っていた可能性もあると見て、背後関係などを調べている。

 闇サイトでIDとパスワードを購入した大阪府内の無職の男がネットオークションに携帯ゲーム機を架空出品し、桜川市内の男性会社員が2万円の詐欺被害に遭い、被害届を受けた茨城県警が男を4月に逮捕し、パスワードなどの購入先を通信履歴などでたどるうち、熊本、岡山県警も同様の事件を捜査していることが判明。合同捜査で友清容疑者らの関与を突き止めた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news001.htm