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2007年10月12日(金) 10時28分

「赤福」が消費期限を偽装 農水省、改善を指示朝日新聞

 創業300年の餅菓子の老舗(しにせ)「赤福」(三重県伊勢市)が商品の「赤福餅」の消費期限を偽って表示、販売していたとして、農林水産省は12日、日本農林規格(JAS)法に基づき、改善を指示した。赤福は出荷しなかった商品の包装をはがして冷凍保存し、解凍した日を改めて製造日と偽り、再包装して消費期限を改ざんしていた。同様の手法で長期にわたって消費期限の偽装は続けられていたという。

土産物売り場には、赤福餅の販売中止を知らせる張り紙があった=12日午前10時、JR名古屋駅構内で

ふだん通りに開店した赤福本店。その後、店が閉められた=12日午前9時57分、三重県伊勢市で

 JAS法は原材料名を質量の多い順に記載するよう義務づけている。同省は、赤福が原材料名を「小豆、もち米、砂糖」の順に記載していたが、実際は砂糖の質量が最も多かった。同省はこの点でも改善を指示した。

 同省によると、赤福は、いったん包装した商品を冷凍保存させて、再包装する手法を「まき直し」と呼び、日常的に消費期限を改ざんしていたという。改ざんは少なくとも04年9月からの3年間で総出荷量の18%にあたる605万4459箱に上るという。

 赤福は「農水省の指摘は、間違いございません」とコメントを出した。同社は同日、「赤福餅」の販売を伊勢、鳥羽市内の直営6店舗に制限し、高速道路のサービスエリアのほか、JRや近鉄などの駅などで販売していた分の回収を始めた。

 赤福は1707年に創業し、伊勢土産の代表格として全国の駅やスーパーなどで販売されている。

http://www.asahi.com/national/update/1012/NGY200710120001.html