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2007年10月05日(金) 10時10分

力士急死問題で思う 角界の終焉か!ツカサネット新聞

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大相撲時津風部屋の序ノ口力士、時太山(当時17=本名・斉藤俊さん)が急死した問題で、日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱)は1日、東京・両国国技館で時津風親方(57=小結双津竜)への事情聴取を行った。同親方は「ビール瓶」と「金属バット」による殴打は認めたが、愛知県警の調べによる関係者証言とは食い違いを見せた。「けいこ中の事故」との見解を崩さず、けいこの行き過ぎや暴行についての反省の弁もなかった。一方、北の湖理事長(元横綱)は、一両日中に臨時理事会を開いて時津風親方を解雇する方針を固めた。 (以上、日刊スポーツ新聞の記事より)
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協会の緊急理事会が5日に開かれ、時津風親方の解雇が正式決定することになるようです。上記の記事の中で私が気にかかるのは、時津風親方が「『けいこ中の事故』との見解を崩さず、けいこの行き過ぎや暴行についての反省の弁もなかった」という部分です。要するにこのリンチ事件を時津風親方は「わが部屋だけのことではない」と言っているように聞こえます。

我々一般人がこの事件を聞いてすぐに思ったことは、「他の部屋も似たようなことが行われているのではないのか?」という危惧の念でした。そして、このような酷いしごきは今回だけなのでしょうか? 以前から行われていたような気がしてなりません。又、程度の差こそあれ、他の部屋でも同類のことが行われてきたような気がしてなりません。

テレビなどの報道によりますと、過去20年位の間に現役力士が死亡した数は約15名とのことです。屈強な若者が死亡する数としては、この数字はやはり比率的には多すぎるのではないでしょうか? 「国技」の名の下に、何かがベールに包まれているような気がいたします。すべてがリンチとは言いませんが、もしこれに似たようなことが行われておれば、これを期に徹底した調査が必要ではないでしょうか。

今回の事件が報道された後、力士にスカウトされている側からの辞退が続出しているようです。このままでは、相撲界はお先真っ暗と言った状態でしょう。今後は外国人くらいしか相撲の担い手がいなくなるでは? いや、外国人でも敬遠するのでは? などと思ってしまいます。

今回の事件をもとに相撲協会の動きが逐一報道されております。報道を聞く限りにおいて、協会の動きはすべてにわたって反応が遅く、確たる協会の意思も感じることが出来ません。もはや協会として機能していないのではないでしょうか。先頃の朝青龍問題もしかり、朝青龍のバッシングだけが大きく前面に出て、その原因や背景の究明は一向に姿が見えません。

日本相撲協会は文部科学省が管轄する歴史ある(1925年設立)財団法人です。文部科学省は、その管轄する責任において地に落ちた「国技」を今一度本物の「国技」として復活させるべく抜本的改革に手を付けてもらいたいと思います。国民もまた協力を惜しまないことでしょう。

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【追憶】
今更過去を振り返っても仕方がないことですが、むかし力士が日本人だけだった頃の相撲が偲ばれます。相撲はもともと日本人の体に合った、日本独特の競技だろうと思います。しかして、この競技が発展し「国技」となったのではないでしょうか。

グローバリズムの煽りを食って、国際化の名のもとに外国へ開放したのでしょうが、なんでも国際化すれば良いと言うものでもないでしょう。どう見てもこれから先、相撲が世界的になっていく競技とは思えません。「国技」と言うからには自国だけの競技でよかったのではないか? などと今更どうにもならないことですが…。

外国に開放したからこのような事件が起きたと言っているのではありません。下手すれば相撲はもう終わりを告げるのか? などと心配しつつ、ただ恨みがましく昔の相撲が思い出されます。



(記者:浅香拓郎)

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