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2007年10月01日(月) 15時03分

<ネット流出>掲示板に書き込み、侮辱容疑で医師を書類送検毎日新聞

 奈良県大淀町立大淀病院で昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院で転送を断られた末に死亡した高崎実香さん(当時32歳)=同県五條市=の診療情報がインターネット上に流出した問題で、流出した医師専用掲示板に実香さんの夫晋輔さん(25)の名誉を傷つける書き込みをしたとして、奈良県警が東日本在住の医師を、刑法の侮辱容疑で奈良地検に書類送検したことが1日、分かった。県警は診療情報の流出についても慎重に捜査している。
 県警などによると、医師は、実香さんの死亡が報道された昨年10月、医師専用掲示板「m3.com Community」に、晋輔さんを中傷する内容の書き込みをした疑い。
 掲示板はソニーグループの「ソネット・エムスリー」(本社・東京都港区)が運営する医療専門サイト内に、医師同士の率直な意見交換の場として設置された。医師会員数は今年3月末の時点で、約14万6000人にのぼる。国内最大級の医師専用インターネット掲示板で、書き込みの閲覧人数も多く、県警は晋輔さんに対する医師の中傷が不特定多数に広まったと判断したとみられる。
 この掲示板を巡っては、運営会社が今年5月、利用規約に反する中傷などの書き込みがあったとして、掲示板を一時閉鎖した。同社は「全投稿のチェックシステムなど改善策を整えた」として、「Doctors Community」に掲示板の名称を変えて再開した。
 掲示板には、実香さんの病歴情報、診断内容の詳細、看護記録、医師と遺族のやり取りなどが書き込まれたことが判明している。診療情報の流出を受けて、実香さんの遺族は今年4月、県警に刑事告訴する方針を明らかにしていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071001-00000039-mai-soci